銭湯の入り方は地域によって違う?入浴マナーの関東と関西比較!

ご当地

関西の銭湯には、「○○温泉」という名称があります。

温泉というのは、地下から源泉を引いているお風呂のことなので、関西の銭湯には源泉を使っているところがあるのかしら・・と思ってしまいます。

しかし、それはどうも違うらしいですね。

一方、関東では「○○の湯」のような名称の銭湯が見られます。

その名称の違いだけ見ても、関西と関東では銭湯の入り方にも違いがあるように感じてしまいます。

銭湯の入浴マナーなど、銭湯に関する違いについて調べてみました。

スポンサーリンク

東西の銭湯の違い

銭湯の違いは東日本と西日本でハッキリ分かれているわけではなく、関東と関西の違いがわかりやすいと思います。

もっと絞れば、東京と大阪なのでしょうが、ここはザックリと関東と関西に分けてみました。

「○○の湯」と「○○温泉」

全国的に見れば、昔ながらの銭湯と言えば「○○の湯」という名です。

一目で「銭湯だな」とわかります。

ところが、関西の銭湯には「○○温泉」という名を見かけます。

市街地の真ん中にある銭湯なのに「○○温泉」とはどういうことなのか・・と不思議に思います。

温泉として名乗っていいのは、地下から源泉を引いていることが条件になっているのに、どうしてなのでしょう。

この理由を調べてみると、関西圏の銭湯の経営者は、北陸の石川県出身者が多いことが関係していました。

石川県と言えば、片山津温泉、山代温泉、粟津温泉などの有名な温泉街があります。

関西で銭湯の経営者になった人が、故郷の温泉を懐かしんで「○○温泉」という名にしたのです。

その後に温泉と名乗って良い条件が制定されましたが、その前から使っていた名称はそのまま使うことを許されたわけです。

それで関西には普通の銭湯なのに「○○の湯」という名が残っているわけですね。

ケロリン桶の大きさ

銭湯の桶と言えば、黄色のケロリン桶がおなじみです。

ケロリンは、頭痛や歯痛の時に飲む鎮痛剤です。

ケロリンの製薬メーカーが、広告のために桶にロゴをプリントして銭湯で使ってもらうようになったのがケロリン桶の始まりです。

ケロリン桶は当初は白かったのですが、細かい傷がついて汚れが目立つため、現在のような黄色の桶になったという経緯があります。

銭湯の好きな人には有名な話なのですが、関西と関東ではケロリン桶の大きさが違います。

関西版は関東版よりも少し小さめになっています。

関東版は直径225㎜、高さ115㎜、重さ360g
関西版は直径210㎜、高さ100㎜、重さ260g

なぜ大きさの違う2つのタイプを作ったのかという理由は、桶の使い方の違いです。

関西では湯舟のお湯を直接使ってかけ湯をします。

そのため、少し小さめして使いやすくしています。

関東では、湯舟から直接かけ湯をすることがないので、大きさを少し変えてあるわけです。

スポンサーリンク

お湯への入り方

ケロリン桶の大きさの違いは、関東と関西のお湯の入り方の違いです。

関東の銭湯では、まず自分の洗い場に石けんなどを置き、桶にお湯をためて体を洗ってから湯舟に入ります。

関西では、お湯に入る前に体を洗うことはなく、湯舟からかけ湯をしてザブンと入ります。

全くの赤の他人同士が同じお湯に入るわけですから、関東の入り方の方が衛生的に良い感じがしますが、関西ではそんなことは気にしないようです。

また、洗い場の使い方についても東西の違いがあります。

関東では、自分の洗い場を確保するために、タオルや石けんなどを置きます。

後から入ってきた人は、そこは避けます。

しかし関西では、場所の確保をしていても、他の人が使っていることも多く、空いているところを使えば問題ないという考え方なのです。

銭湯の壁画

銭湯と言えば、壁に描かれた富士山の絵を思い出す人も多いでしょうね。

ただ、関東でよく見られた壁画は、壁に直接描かれたものだったので、定期的に修復が必要です。

関西の銭湯の壁は、タイルを使った絵柄が多いのは、修復の必要性がないからなのです。

合理性を重視する関西の人たちの気質が、銭湯の壁にも表れているのでしょう。

関東でも銭湯の壁はタイル絵柄が多くなっているのですが、昔ながらの壁画のある銭湯は、マニアにとってたまらないようです。

スポンサーリンク

交流の場としての銭湯

庶民の家には風呂がなく、銭湯を使う割合が高かったのは、関東も関西も同じです。

ただし、東京の銭湯がお湯の温度も熱く、長湯するのは粋じゃないという江戸っ子気質が残っているため、お湯の中で長々と話すようなことはあまり見られません。

関西では、湯舟に浸かりながら話す光景がよく見られたそうです。

銭湯がその地域の交流の場となっていたようです。

関東でもお湯から出た後にコミュニケーションをとる場所が設けられている銭湯もあります。

今ではご近所同士が一緒にお風呂に入るなんて、ちょっと考えられないという人も多いでしょう。

ですが、温泉に行けば見ず知らずの人と同じお湯に入るのですから、おかしなものですよね。

まとめ

銭湯の入り方ひとつとっても、関東と関西とでは色んな違いがあるのですよね。

今では、街中にある銭湯に入った経験のない人の方が増えているので、銭湯の入り方の東西の違いも消滅していくのでしょう。

銭湯の文化は、できれば消えて欲しくないと思ってしまいました。

 

 

 

タイトルとURLをコピーしました