剣道がオリンピック競技に採用されない理由とは!何が妨げに??

不思議なルール

国際的なスポーツの祭典の中でも、やはり一番の注目はオリンピックでしょう。

2020東京大会では、55種の競技が正式種目として採用されました。

オリンピックの競技に正式採用されても、ずっとそのまま続くわけではないのですが、陸上や水泳などはずっと続いていますよね。

日本のスポーツは、柔道が採用されていましたが、2020東京大会では空手も採用されました。

柔道も空手も人気が高いので納得ですが、剣道に関しては、オリンピック競技になる予定はないのでしょうか。

剣道は柔道や空手のように、海外の人たちには人気がないから採用されないのか、ちょっと疑問です。

地元開催はもうしばらくはないので、2020東京大会は大きなチャンスだったはずなのに・・。

なぜ剣道がオリンピック競技に採用されないのか、その理由を探ってみました。

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剣道がオリンピック競技にならない理由

剣道は、日本ではかなりメジャースポーツの印象ですよね。

剣道部のある学校も多いですし、地域の剣道クラブなども盛んです。

野球やサッカーに比べれば、人気は劣るかも知れませんが、マイナースポーツとも言えないのではないでしょうか。

ただ、世界的に見ればメジャーでもないかも知れません。

ですが、柔道や空手が海外で人気が高まったのですから、剣道だって負けていないと思います。

それでもオリンピックへの採用について、話題にもならないのはなぜなのか、理由として考えられることをあげてみます。

競技採用基準をクリアしていない

まず、オリンピックの競技として採用されるには、一定の基準をクリアする必要があります。

基準は、夏のオリンピックと冬のオリンピックでは違います。

夏季オリンピック採用基準
男子では4大陸75カ国以上、女子では3大陸40カ国以上で広く行われている競技のみ。

冬季オリンピック採用基準
3大陸25カ国以上で広く行われている競技のみ。

この基準をクリアしてはじめて、採用されるのか検討されるわけです。

柔道はヨーロッパでも盛んです。

とくにフランスはオリンピックでも金メダリストを多数輩出する強豪国です。

南米の大国ブラジルには、移住した日本人の子孫も多く暮らしているため柔道人口が多く、約200万人とも言われています。

また、2020東京大会で採用された空手も、海外で人気が高いので、採用されるのを楽しみにしていた方たちも多いでしょう。

では剣道はどうなのか。

採用基準を満たしているのかが問題です。

調べてみると、剣道の国際大会に参加できる国際剣道連盟の加盟国は約40か国です。

ということは、そもそも採用基準に達するかどうか微妙なラインなので、剣道がオリンピック競技に採用される可能性は低いわけです。

剣道連盟が拒んでいる

剣道が盛んなのは、言うまでもないですが日本です。

ということは、日本が強く働きかけなければ、剣道がオリンピック競技に採用されることはありませんよね。

オリンピック競技になると、世界で競技人口が増えます。

それは剣道を広める絶好の機会になるはずです。

ところが、日本の剣道連盟はオリンピック競技にしようとは考えていないようなのです。

剣道の未来にとって、メリットになると思うのに、なぜ反対なのか不思議ですよね。

でも、理由を聞くと腑に落ちます。

オリンピック競技になると、見ている人たちにわかりやすくするために、ルールが大幅に変わってしまうと考えているからです。

武道ではなく、ただ勝敗を決めるだけのスポーツになってしまうのではないか・・と懸念しているのです。

もしもオリンピック競技にする目標があるのなら、もっと世界中に剣道を広めるためのプロモーションなどが盛んに行われているはずです。

剣道が武道として広まるのならいいのですが、オリンピック競技にするために広めるのは、日本の剣道連盟が乗り出さないのでしょう。

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柔道が変わってしまった過去

全日本剣道連盟にとって、オリンピック競技に採用されることは、メリットよりもデメリットの方が大きいと思った理由を考えてみました。

あくまでも想像ですが、柔道がオリンピック競技になってからの歴史が影響しているのではないでしょうか。

柔道がオリンピック競技に採用されるのが早かった理由は、日本人で初めて国際オリンピック委員に就任した加納治五郎の存在が大きかったと思います。

加納治五郎は、オリンピックを日本に招致するために尽力した人物ですが、その前に講道館柔道の創始者です。

日本中に柔道を広め、さらには世界へ柔道をアピールしました。

だから柔道は、オリンピック競技に採用されるのが早かったのでしょう。

ですが、オリンピック競技に採用されると、柔道のルールはどんどん変わっていきます。

「柔道ではなくJUDOになってしまった」と嘆く柔道家の話も聞いたことがあります。

見ている人たちがわかりやすく、競技として面白いものじゃなければオリンピック競技から外されてしまうので、剣道の理念が失われてしまうのは困るのです。

全日本剣道連盟のHPで剣道の理念を確認してみました。

剣道の理念
剣道は剣の理法の修練により人間形成の道である

とあります。

剣道には試合がありますから、そこではもちろん勝敗を付けるためのルールがあります。

ですが、基本は勝ち負けのためではなく、人間形成のための武道という理念はけっして動かないのでしょうね。

まとめ

日本で盛んなスポーツが、世界中で人気が出て、オリンピック競技になるのは嬉しいことです。

ですが、そのためにルールが激変して、本来の武道としての剣道がではなくなってしまうのなら、今のままでもいいのかも知れませんね。

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