わたしが散歩するのは静かな住宅地が多いのですが、その時に見かけて不思議に思うのが、水の入ったペットボトルが置いてある民家がまだまだあることです。
あれは猫よけのために置いてあると思うのですが・・・・それって効果ないのはみんな知ってますよね

え~、まだそんなことしてる人いるんだ

随分前から意味ないよって言われているよね

ぇ…意味ないの?
↑こういう人もいるかも知れないけど、大半の人はペットボトルに猫よけのには根拠もないし効果もないと言われています。
それなのになぜ・・という疑問を掘り下げてみます。
なぜペットボトルを置くのか
昔は「ペットボトルに水を入れて置くと、光の反射や水の揺れで猫が驚いて近寄らない」と言われていました。
主に庭や玄関先、車の周りなどでよく見られる方法です。
❌ 実際の効果
- 科学的根拠はありません。
日本動物愛護協会や自治体なども「効果なし」と明言しています。 - 猫はすぐに慣れてしまい、全く気にしなくなることが多いです。
- むしろ景観を損ねたり、虫の発生源になることもあります。
猫の習性から考える
猫よけに水の入ったペットボトルを置くのがなぜ一時期全国的に広まったのか、その発祥についてはよくわかっていません。
ただ、これまでの人生で9匹の猫と暮らしてきた私が推測すると、猫の警戒心の強さが起こす動作を見て、猫と触れる機会の少ない人(猫が苦手、嫌いな人)が思い込みをしたのではないかと考えられます。
ここからは完全の私の想像です。
庭に侵入する猫
草花を庭で大切に育てているお宅では、猫が庭に入り込むのはとても迷惑です。
とくに排泄物には頭を悩ませるでしょう。
外で生きている猫は、自分のテリトリーを示すためにオシッコをスプレーのようにしてマーキングする習性があるため、野良猫が放し飼いの猫が多い地域ではトラブルもあります。
そんな時に、草花に水やりをしようとペットボトルに水を入れて庭に置いて、ほんの少しその場を離れたすきに猫が侵入し、そのペットボトルを見つけて警戒し、体勢を低くして怯えるような様子を見せた。
その瞬間を見た人が「猫は水の入ったペットボトルが苦手なんだ」と思い込む。
というのが私の思い描いた想像です。
猫はとにかく警戒心が強い
猫と暮らしたことがある人ならわかると思いますが、彼らはとにかく警戒心が強く、見慣れないものが自分のテリトリーにあると安全確認に時間をかけます。
我が家の猫たちは完全室内飼育なので、家の中に見慣れないものがあると遠巻きに観察し、少し近寄って猫パンチしてみたりして、安全なものだと確認すると興味を失います。
その行動が「水の入ったペットボトル」という偶然と重なったのではないでしょうか。
効果なしでも置き続ける理由
ここまで水の入ったペットボトルに猫よけの効果はないと言われて久しいのに、なぜまだ置き続けている人がいるのか、その謎を考えたとき、地域猫の活動をしている保護団体の方から聞いた話を思い出しました。
地域猫とは、飼い主のいない猫に避妊去勢を行い、飼い主のいない猫が増えないようにして、一代限りの猫生をまっとうさせるためにお世話することです。
エサが十分にあればゴミを漁ったりしないし、去勢避妊していると繁殖期の争いもなくなります。
しかし、それは猫嫌いの人にはなかなか理解されないので、地域猫活動をしている方たちは飼い主のいない猫のお世話にはかなり神経を使っているようです。
猫よけペットボトルの置いてあるお宅に事情を説明するときは、かなり心の準備をしないと怒鳴りつけられることも珍しくないと言っていたのを思い出します。
野良猫が敷地に現れて、避妊去勢してせめて食べるものくらいお世話してあげたいけど、隣家が猫嫌いのようで猫除けペットボトルを置いているから保護してもらった方がいいかも知れないなどという相談もあると聞きました。
つまり、効果のない猫除けペットボトルをいまだに置き続けている理由は、近隣住民への「猫嫌い」アピールの意味もあるのではないかと。
近隣に猫が苦手なお宅があるとわかっていれば、猫の飼い方も完全室内飼育にしようと考えるでしょうから、どちらかというと人間に向けたアピールのような気がしています。
まとめ
空前の猫ブームと言われて数年たちますが、世の中には猫が苦手な人もいるので、猫を飼う人には必ず終生飼育の責任をもって欲しいと心から願います。

