学校の行事で体育館や校庭に生徒たちが集合する場合、どんな順番で並んでいたでしょうか。
年代にもよるでしょうが、かなりの割合で背の順(身長)だったのではないかと思います。
背の順は、身長の低い人が一番前になり、最後尾に身長が一番高い人になるという並び方です。
この背の順の並び方がいつから始まったのかわかりませんが、あまり良い記憶として残っていない人も多いと思います。
いったい背の順はいつから始まったのか、またなぜ身長順に並ばせたのか、その目的や意味について調べてみました。
背の順の起源
身長の低い人から順番に並ぶ背の順は、いつから始まったのか調べてみましたが、はっきりとした起源はわかりませんでした。
軍隊での整列の際に背の順で並んでいたという説もありますが、定かではありません。
海外の学校などでは、身長順に生徒が並ぶという話もないので、日本だけなのかも知れません。
背の順の目的
小中学校の背の順には、どんな意味があるのでしょう。
身長の低い子から順番に並ばせる目的とされていることを、集めてみました。
①身長順にすることで、視界を遮らなくするため
②背の順に並べば、前から児童生徒の様子がわかりやすいため
この2つの理由を説明する教師が多いようです。
ですが、前の人の身長が数センチ低かったとしても、視界が開けるとは思えません。
どちらかと言えば、教師たちの都合の良い後者ではないでしょうか。
前から見ていれば、後ろの子供たちの頭が動いているかどうか、すぐにわかるので利便性のために背の順に並ばせているのだと思います。
後ろを振り返っておしゃべりしたりする子がいれば、すぐにわかるので背の順は教師側のための並び方でしょう。
気分が悪くなって座り込んだり、フラフラしているような変化を素早く察知できるというメリットもあるので、悪いことばかりではないと思いますが、児童生徒にはとにかく不評です。
背の順は不条理
背の順は、身長の伸びが大きい成長期を含みます。
夏休みを終えた後に数センチ伸びる子供も珍しくありません。
背の順の並び方を正確に、厳密にするには、身長をこまめに測定しなければいけないはずです。
一年に一度の身体測定の数字だけで、並び順を決めるのであれば、背の順の意味もなくなります。
並ぶたびに前後の人と背を比べて、頻繁に並ぶ順を変えるなんて面倒なことはほとんどしていないでしょう。
そんな不条理な並び方を、いまだに続けている学校があるのです。
そろそろ見直しても良い筈なのに、なかなか見直されないのが現実なのです。
背の順に反対する声
背の順に対しては、身長が低いことへのコンプレックスの根源のように感じています。
実際に、背の順に対しては反対論、廃止論も多く目にします。
一番前を経験した人は、身長という身体的な特徴で差別されるという感覚になったという話を多数聞きました。
逆に女子の場合は高身長であることをコンプレックスに感じていると、最後尾になるのが当たり前のように扱われるのが嫌だったという声もあります。
出席番号順、名簿順、教室の机の並び順など、わかりやすい並び順は他にあります。
背の順じゃなければいけない「コレ」という理由がないのなら、廃止にしても良いのではないでしょうか。
まとめ
身長の伸びが止まるのは、女子は15~17歳くらい、男子は18~20歳くらいです。
とくに男子の成長期は、一年で10㎝くらい伸びることもあります。
そう考えると、背の順なんて並び方のルールは、成長期の児童生徒には適していないと思います。
外見によって人を判断するような、そういう意識を植え付ける原因にもなると思うので、一日も早く背の順を廃止されることを望みます。