春になると、新入社員が通勤する姿を目にします。
すぐに新入社員とわかる理由は、就活スーツとかリクルートスーツと呼ばれるスーツを着ているからです。
就職活動のために購入する就活スーツなのに、就活が終わってからも着続けるのが不思議です。
まさか新入社員は○月まで就活スーツを着なければいけないなんてルールでもあるのか・・と思ってしまいます。
そもそも就活スーツとかリクルートスーツは日本独自の慣習だと思うのですが、いったいいつから始まったのでしょうか。
新入社員が入社後も就活スーツを着続けている理由や、就活スーツの由来などを掘り下げてみます。
新入社員が就活スーツを着る理由
なぜ就職活動のために購入した就活スーツ(リクルートスーツ)を、入社した後も着続けているのか。
いくつかの理由があるようです。
勿体ない
その理由として第一にあげられるのが、「勿体ないから」と考えるからです。
就活スーツは、オーダーメイドではないとしても、面接などでの印象を考えて、品質の良い生地を使っています。
価格は高価なものもありますが、一般的な相場は1万5千円~3万円くらいです。
これは男女ともに同じです。
就活スーツは、シンプルなデザインが特徴なので、就職活動以外でも活用することは可能です。
新入社員は入社してしばらくは就活スーツを着用のこと!なんてルールがあるわけではなく、せっかく質の良いスーツを持っているのだから、無駄にしないためにも入社後も着ている人が多いのです。
無難だから
次に考えられるのが、じつに日本人らしい理由です。
目立たないように、無難にみんなと同じようにしておくと安心だから・・です。
新入社員の中で、一人だけ目立ってしまえば、先輩たちからどう思われるのかわからないので、みんなと同じにしていたいというわけですね。
また、ビジネスの場ではどのような服装をするべきなのか、まだわからないので無難に就活スーツを着るという人もいます。
先輩たちの着こなしを参考にしながら、徐々に服装も社会人らしくなるのでしょうね。
経済的な理由
就活スーツを入社後も着る理由には、経済的なことも大きいと思います。
入社後に初任給を受け取るまでは、カツカツの生活をする人も少なくないでしょう。
実家暮らしの人ならそれほど困らないでしょうが、自立している新社会人はキビシイはずです。
初任給を受け取っても、家賃や食費、光熱費などを支払うと、すぐに新しいビジネススーツを買う余裕はないかも知れません。
しばらくは就活スーツを着るしか選択の余地がない人もいますよね。
就活スーツはいつまで着られるのか
就活スーツ(リクルートスーツ)は、他のスーツと比べてハッキリとした違いがあるわけじゃありません。
強いて言えば、黒・濃紺・灰色のようなダークカラーが多く、凝ったデザインや装飾はありません。
良くいえばシンプルですが、何の飾りっけもないので、少し退屈に感じてしまいます。
シンプルなものが飽きがこないので、長く着続けられるというメリットがありますが、あまりにもアッサリしているので、つまらなくなってしまうのでしょうね。
いつまでというルールはありませんが、半年~2年以内にはほとんどの人が就活スーツを卒業します。
ただ、就活スーツを長く着続けるコツもあります。
たとえば女性の場合はホワイトカラーのブラウスではなく、色付きのシャツやプリントシャツにするだけでも印象が変わります。
また、靴も黒のパンプスから変えるだけで、いかにも就活スーツという感じはしなくなると思います。
男性の場合もシャツのデザインに遊び心を取り入れたり、ネクタイだけでも印象が変わりますよね。
靴やカバンなど、スーツ以外の物で新入社員っぽさから脱するように工夫すれば、長く着られるのではないでしょうか。
就活スーツはいつから始まったのか
じつは就活スーツというのは、1970年代の後半まではありませんでした。
ありませんでした・・というよりも、就活スーツとかリクルートスーツと呼ばれるようなものが無かっただけのことです。
1970年代の後半に、百貨店が大学生協と組んで就職活動の時に着られるようなスーツを作ったのが始まりです。
ただし、これは男子学生の就職活動のためでした。
それまでも就職活動をする時にはスーツを着用していた人もいましたが、男子は学生服で面接を受けることも多かったようです。
女子学生はブラウスにスカート、ワンピース、スカートとブレザーなど、様々なスタイルで就職活動をしていました。
男子学生と同じように、濃紺や黒の就活スーツが販売されるようになるのは1980年代に入ってからです。
女性の社会進出とともに、就職活動の様子も変化していったのですね。
まとめ
就活スーツを着ていると、就活活動をしている学生なのか、新入社員なのか見分けがつかないのに、なぜみんな着続けているのか・・と不思議に思っていました。
でも、よく考えれば、入社してすぐにお給料がもらえるわけでもないので、しばらく着続けるのは自然なことですね。
徐々に洗練されたビジネスファッションを楽しめるようになるのでしょう。
楽しみですね。