新年度になると、子供たちは新しいクラスになり、担任の先生も交替するなど、様々な変化があります。
保護者が新しい担任の先生と顔を会わせてお話できる機会として、家庭訪問は新年度の恒例行事として続けられてきました。
しかし、家庭訪問はいつの間にかなくなっていたのです。
全国津々浦々をくまなく調べれば、まだ家庭訪問をしている学校もあるでしょうが、かなり少数化になっているのは間違いありません。
それはいつからなの?
家庭訪問経験アリナシで年代がわかる?
そんなにハッキリ分かれるほど一気になくなっていったのかな
いつの間にか消えてしまった家庭訪問。
なぜ消えてしまったのか、その理由は何なのでしょう・・。
また、家庭訪問にはどんな目的があったのかも考えてみました。
家庭訪問がなくなった時期
家庭訪問は、全国的には廃止傾向の途中です。
完全になくなったわけではなく、地域によってはまだ続いているところもあります。
家庭訪問が続いている場合でも、子供部屋や学習環境までしっかり見ることは少なくて、玄関先で終わるような傾向が多いように見られます。
廃止され始めたのは、2000年ごろからです。
首都圏で廃止する学校が増え始め、その後は徐々に全国にその傾向が広がっていきました。
家庭訪問が廃止された理由
昭和から平成まで、長く続いてきた家庭訪問がなくなった理由は、大きく2つ考えられます。
保護者の負担軽減
家庭訪問が当たり前に行われていた時代は、専業主婦の割合が半数以上でした。
共働き家庭や一人親世帯が少ない時代だったので、保護者への負担はあまり考えられていなかったのです。
学校行事のために仕事を休まなければいけない保護者が少なかったわけですね。
家庭訪問のために、仕事を休んで部屋の掃除をして・・となれば、反対意見が出るのも仕方ないと思います。
教師の負担軽減
家庭訪問は保護者から廃止の要望があったからなくなっていったと思われがちですが、意外にも教師側の負担軽減というのも大きな要因だと言われています。
家庭訪問は、保護者と直接面談できる機会であることから、新年度の4月から5月に行われることが一般的です。
しかし、その時期は様々な業務に追われることから、生徒の家を個別に訪問してまわるのは、時間もかかるし負担も大きかったわけです。
普通に考えてみても、知らない家に訪問するのは緊張しますし、気を使います。
ましては保護者の中には、教師に対して様々な要望や要求をするケースもあるので、緊張感はかなり大きなものでしょう。
時間的な負担もそうですが、精神的な負担も大きかったのではないかと推察できます。
つまり、家庭訪問は保護者側にとっても、教師側にとっても、負担と感じる人が多くなったため、自然に廃止の流れに進んでいったのではないでしょうか。
家庭訪問の必要性
家庭訪問がなくなったとしても、保護者が学校に出向いて担任と面談する機会が設けられているので、問題はないと考えられます。
しかし、家庭訪問でしかわからないこともあるのですよね。
たとえば、ネグレストや児童虐待などの問題は、家庭内を見なければ気が付くのが遅くなるケースもあります。
一度は廃止された家庭訪問ですが、忙しい新年度を避けたり、長い期間かけるなどして再開するケースもあるようです。
圧倒的に廃止の流れが多いので、再開されるケースは稀でしょうが、子供たちを見守るためには必要だと考える大人も少なくないのでしょうね。
まとめ
家庭訪問が当たり前にあった時代に生きてきた世代は、少子化で子供の人数が減っているのに、なぜ教師の負担が軽減されないのか理解に苦しむところです。
しかし、学校の教師のハードワークの問題が注目されているのも事実です。
家庭訪問なんて不要だと言い切ってしまうよりも、なぜ家庭訪問が長く続いてきたのかを考えてみる必要があるのではないでしょうか。