お葬式に参列するときは、喪服を着ます。
そのため、見てすぐに「葬式か法事だな」とすぐにわかるものです。
喪服を着たまま食事をすることはありますが、ショッピングしたり映画を見たりするような娯楽の場へは相応しくないので、控えるのが一般的ではないでしょうか。
着替えないまま
街をウロウロするのは
ちょっと目立つしね
法事のあとは
親族で食事することもあるけど、
それだけかな
葬式のあとに
娯楽は控えるよ
そういう認識でいる人が多いと思うのですが、タイトルにあるように入院患者の見舞いはちょっと問題外のような気がします。
しかし、そうしなければいけない事情がある人だっています。
たとえば、急な不幸があって急いで地元に帰省して、葬式を終えて日帰りするようなスケジュールだった場合です。
親しい人やお世話になった人が入院していることを知ったのなら、お見舞いしてから帰ろうと考えるのも自然なことではないでしょうか。
しかしそれがタブーだとするならば、顔を見せない方が良いのか・・ということになります。
葬式に参列したあとに入院患者を見舞うことについて、どうすればいいのか考えてみました。
葬式のあとの行動について
葬式に参列したあとに、買い物、飲食、娯楽などの寄り道は控えるべきだというのが、昔ながらの風習として伝えられてきた地域は少なくありません。
しかしそれは、現在のように仕事関係者や友人知人などが参列するお葬式が一般的になる前の話です。
主に親族だけで葬式をすることが多かった時代には、身内の葬式の日にウロウロと寄り道したり外出することは咎められたのだと思います。
ですが、今の時代では一般の参列者にまでそのようなことを求める習わしはないので、そこまで気にする必要もないのでしょう。
ただ、法事などのあとの食事で飲食店を利用する場合はさておき、一般客と同じスペースに喪服を着た集団がいると、目立ちます。
もしも葬儀で同級生や知人と会って、その後にお茶や食事をする場合は、一般客から目につきにくい席があるお店を選ぶなど、少し気を使うことは必要かも知れませんね。
葬式帰りは縁起が悪いのか
葬式のあとに塩で清めるのは、神道では死を穢れと考えるからです。
しかしいつの間にか仏教による葬儀でも、清めの塩を使うようになったため、今でもその風習が残っているのです。
そのあたりが、神仏がまぜこぜになっているからわかり難いのですが、世の中ではまだまだ葬式の帰りには塩で清めるという風習があるのは間違いありません。
つまり、葬式の帰りには「死」という穢れをまとっているため、近寄りたくないと考える人がいるのでしょう。
塩で清めたかどうかなんて、外見ではわかりませんから。
仏教では死を穢れとは考えないので、縁起が悪いなんて思わなくてもいいのですが、神仏まぜこぜになった風習は簡単には消えないのではないでしょうか。
そういう意味で、葬式の帰りの寄り道は控えた方が良いと言われる理由だと思うのです。
葬式帰りのお見舞い
葬式の帰りに飲食や娯楽のために寄り道をしたいのであれば、喪服から着替えてしまえば問題ないわけです。
着替えてしまえば、その人が葬式の帰りなんて誰にもわかりませんから。
しかし、病院へ入院している患者のところへお見舞いに行くのは、たとえ着替えたとしても控えるのが常識だと考える人もいます。
喪服から着替えてしまえば、なんら問題なさそうに思うかも知れませんが、入院のお見舞いをするというのは、ある程度親しい関係がなければしませんね。
親戚、同僚、友人など、親しい間柄だから入院先までお見舞いをするわけです。
ということは、たとえ喪服を着替えたとしても、葬式帰りだというのが耳に入るかも知れないですよね。
「縁起でもない」と思う人がいないとは限りませんよね。
病院だけではありません。
高齢者が入所するような施設も同じです。
「死」を連想させることは、できるだけ避けたい場所ですから、病院へのお見舞いや老人ホームへの面会は葬式に参列した日ではなく、日を改める方が良いのでしょう。
病院に出入りする葬儀社の人たちも、喪服を連想させるような制服はクレームを受けることもあるそうです。
命の危険のない病気やケガだとしても、他の入院患者のことを考えるとやはり葬式帰りにお見舞いは遠慮すべきなのでしょう。
まとめ
葬式帰りに用事を済ませたり、食事や買い物をすること自体は、とくタブーとされている地域は少ないと思います。
ただ、病院や老人ホームという場所に葬式帰りにそのままの足で向かうのは控える方が無難です。
着替えたとしても、お線香のニオイが髪などに残っていることもあるでしょう。
病気を患い、色々な心配を抱えている患者やその家族は、小さなことも悪い方へ考えてしまうかも知れません。
日を改められないのであれば、せめて帰宅してシャワーを浴びるなどしてから出かけ直すくらいの気配りは必要なのではないでしょうか。