あなたは自分の家族や親戚など、身内のことを人前で褒めたり、自慢したりしますか?
きっと親、兄弟姉妹、子供、親戚一同の中には、人に自慢したくなるような人物が一人くらいはいるのではないでしょうか。
ところが、多くの人が「自分の身内のことを自慢するなんて、みっともない」と思っています。
自慢できるような素晴らしい人がいるのに・・・不思議ですよね。
他にも、人前で子供のことを褒める親も少ないような気がします。
これは日本人気質というか、日本人特有だとも言われます。
なぜそうなってしまったのか、理由を掘り下げてみましょう。
身内のことを自慢しない理由
身内のことを自慢しない一番の理由は「嫌われる」ことを避けるからです。
自慢は謙虚な気持ちとは真逆だと思われています。
謙虚さが足らない人は、図々しいとか図太いなどと言われてしまいます。
好感度が低くなってしまうのです。
また、身内の自慢をする人は、高い割合で自分自身の自慢もします。
自分の自慢だけでは足らずに、身内の自慢に移行する傾向があります。
会ったこともない人の自慢話を聞かされても困るわ・・
そうなりますよね。
つまり、身内の話かどうかに関係なく、自慢すること自体に嫌悪感を持つ人が圧倒的に多いので、日本人は身内の自慢をしない傾向があるのです。
身内の話を聞かれた時でも、控えめに話せる方が上品で好印象を持たれます。
自慢話を聞かされる人の気持ちを考えられない人というレッテルを貼られてしまうと、周りに人がいなくなってしまうでしょう。
ただ、ホントは自慢したいけどガマンしている人も多いので、遠回しに自慢する人もいますよね。
堂々と自慢するよりも、遠回しに自慢する方がよほどみっともないと思うのですが、それができないのが日本人気質というものなのでしょう。
人前で子供を褒めない理由
子供は褒めてあげなければいけないはずなのに、なぜか親は人前で子供を褒めません。
褒めないだけじゃなく、わざわざ子供の欠点や短所を言うことがあります。
お宅のお子さん、とてもしっかりしているわね
そんなことないですよ、生意気なだけで
こんな会話はよくあります。
人前で親が自分のことを悪く言うのを聞いて、ショックを受けたという記憶が残っている方もいるのではないでしょうか。
これはいわゆる謙遜ですよね。
とても美人ですね
そんなことないですよ
このように、自分を褒められた時に謙遜するのと同じです。
ですが、たとえ親子だとしても子供は別人格です。
自分の子供をまるで所有物のように思っている親が多いので、子供のことを褒められるとわざと悪く言って謙遜するわけです。
何も悪くないのに、親が自分のことを目の前で悪く言っているのを聞かされて成長するのは、良いこととは思えません。
ですが、大人の社会を見ているうちに、「親は子供のことを自慢しない方が良い」という感覚を自然に身につけてしまうのでしょうね。
それが正しいのか間違っているのかわかりませんが、幼い頃に人前で親に褒められるのは、きっとすごく嬉しかったのではないでしょうか。
愚妻という男性はまだいる
身内を褒めないことについて言えば、既婚男性が自分の妻のことを「うちの愚妻」などと呼ぶことがあります。
愚妻とは、へりくだった言い方です。
つまり、謙遜して自分の妻のことを人前で表現する時に使うわけですね。
愚かな妻と書いて愚妻。
言われる方はムカつくでしょう。
愚妻を使うのは、50代以上のシニア世代がほとんどです。
まだ女性の地位向上に対する意識が低い世代は、平気で愚妻なんて言えるのでしょう。
もちろん、これは謙遜しているからなのですが、あまり好い文化とは感じなくなったのではないでしょうか。
謙遜し過ぎも好感度ダウン
自分の身内を自慢すると嫌われるから、自慢は控えようとするのは理解できます。
でも、わざわざ身内の価値を下げるようなことを言うのは理解できません。
謙遜が美徳という日本特有の文化は、人間関係を円滑にする上で必要だったのかも知れません。
みんなが自慢し放題では、収拾がつかないでしょうからね。
ですが
「賢いお子さんですね」
「立派なご兄弟ですね」
このように褒めてもらえた時には、素直に受け入れてお礼を言えば済むと思います。
よくテレビのバラエティ番組などで、お笑い芸人が女性ゲストに対して「きれいですね」と容姿を褒めた時に「いえいえ」と謙遜しないと突っ込まれています。
芸人「きれいですね」
女性ゲスト「ありがとうございます」
芸人「否定しないのかい!」
このようなやり取りが、謙遜しない人に対して冷やかな目で見られる要因にもなっていると思います。
まとめ
明らかにわざとらしいお世辞じゃないのなら、謙遜し過ぎも良くないです。
あまりにも謙遜されると、何だか褒める方が悪いことをしているように感じてしまうからです。
ただ、世の中には褒められるのが苦手な人も存在します。
褒められたときにどう対応していいのか困るからです。
世の中にはいろんな人がいるので、褒めるのも謙遜するのも、ほどほどが一番なのではないでしょうか。