日本では4月に年度替わりなので、町内会や自治会などの役員が新たに変わります。
昔のように、町内会の活動が盛んではなくなっている地域が多くなっていますし、加入しない世帯も増えているようですね。
単身者のアパート暮らしでは、加入する必要性を感じないでしょう。
そもそも任意加入なので、入りたくなければ入らなければ済むわけです。
と言いながら・・無言のプレシャーで任意と言いつつ強制的に入らされるケースが多いみたいです。
日本人特有の「世間体が悪い」とか「他の人がやってるから」という理由で、嫌々加入している人の方が圧倒的に多数ではないでしょうか。
もしも海外なら、町内会のような自治活動の任意団体は成り立つのか・・。
日本にしかないのかも知れないという疑問が生まれたので、調べてみることにしましょう。
町内会とは
町内会のような、小さな規模の自治団体は、住民たちが自ら立ち上げて運営するのが基本です。
地方自治体としての役割ではないので、加入者から集める会費などで運営しています。
また、マンションや団地などの集合住宅では、町内会とは別に自治会として運営しているケースもあります。
町内会や自治会の主な目的は、防災や防犯、地方自治体との窓口ということですが、全国的にはゴミ分別と収集場所の管理が日常の活動として第一にあげられるようですね。
町内会の起源とは
町内会のような自治団体が生まれた起源を調べてみると、第二次世界大戦時の隣組という制度が今の町内会の原型のようです。
そもそも日本には、町内会の原型のような小さな自治組織は各地に存在していました。
村ごとにしきたりを作り、みんなで助け合うことは、町内会の原型とも言えるでしょう。
たとえば江戸時代の江戸の町は、世界屈指の人口密集地域でした。
長屋が立ち並び、その長屋の大家が住民をまとめる役割をしていました。
長屋の中で誰かが亡くなったりすると、住民たちが通夜や葬儀の手伝いをするなど、助け合うための小さな組織は存在していたのです。
ただ、それが明確なルールとして定められたのが、戦時下だったのですね。
隣組の活動目的は、配給を住民たちが管理したり、空襲などによる火災への備えが表だったものでした。
しかし、一説には国を裏切るような行為をしている者を見つけ出すために、住民同士が監視し合うために作られたのが隣組制度だったとも言われています。
そう考えると、今の町内会もゴミ分別の監視をしたりするので、住民同士で監視し合うことでモラルが守られ、治安が良くなるという考え方もできるのかも知れませんね。
海外にも存在するのか
海外では、日本の町内会のような組織は存在するのか調べてみると、中国、台湾、フィリピン、韓国などのアジア圏には似たような組織があるようです。
ただ、日本はあくまでも任意参加なのに対して、行政機関を連携している組織が多いようです。
行政組織の末端として存在するのであれば、町内会とは違うのでしょうが、小さなグループを作ることで、行政機関が管理しやすくなるのでしょう。
アフリカ、中東などでは、血縁関係の集まり、宗教の集まりなど、自然発生的な組織によって助け合う仕組みがあります。
これは昔の日本の集落ごとの集まりと似ていますね。
北米やヨーロッパなどでは、日本のような町内会の仕組みがある地域はほとんどありません。
ただ、アパートごとのルールを決めるために集まったり、住民同士が団結する必要を感じた場合などに、やはり自然発生的に生まれるグループは存在するようです。
町内会の変化
日本では、昔から隣近所との付き合い方を表す「向こう三軒両隣」という言葉があります。
ただ、それは時代とともに変わってきました。
首都圏だけじゃなく、全国的に見ても、賃貸の集合住宅などでは、隣に誰が住んでいるのか知らないまま暮らしている人が増えています。
下手に引越の挨拶をしたばかりに、住民トラブルになったという事例もあります。
誰が住んでいるのはわかるような表札は付けないなど、防犯のための意識は様変わりしているのです。
町内会に加入すれば、隣近所の人たちと助け合えるというのは、あまり期待できることでもありません。
大半は、仕方なく、嫌々、渋々加入していると思った方が良いでしょうね。
加入したくなくても、町内会に入らないとゴミ収集所を使わせてもらえないなど、無言の強制加入ルールが存在するので、町内会に入りたくなくても仕方なく入っているのだと考えられます。
本音が言えない国民性なので、日本では町内会のような組織が今も存続しているのでしょう。
まとめ
町内会が必要なのかどうか、人それぞれの考え方があります。
ただ、現在の町内会の原型になったのが戦時下での国民監視が目的の組織だったと思うと、何となくネガティブな気持ちになってしまいます。
欧米諸国を見れば、町内会のような組織がなくても暮らせることはわかるはずです。
さて日本の町内会の仕組みは、いつまで続くのか、興味を持って見守りたいと思います。