スーパーやコンビニなどで使う買い物袋が有料化されたり、使い捨てのストローを廃止するカフェチェーンも増えたりしてます。
ビニール製品、プラスチック製品は自然に返るものではないので、環境問題を考えた時、少しくらい不便な生活になっても、ガマンしなければいけないと思います。
自分たちが生きている間だけの問題ではないので、数百年後の地球のことを考えれば、便利さばかりを追求するのはやめないといけないはず。
ところが、日本ではビニール傘という環境に良くないものがいまだに無くなりません。
ビニール傘は、その手軽さが逆に問題になっています。
なぜ日本人はビニール傘を使いたがるのか、その理由を掘り下げてみました。
ビニール傘が環境問題になる理由
ビニール傘が環境に悪影響を与えるものとして問題視される理由は、構造上の問題です。
ビニール傘は、パーツ部分で使われる素材が違います。
それを分別して処分することがとても難しく、リサイクルに向かないのです。
傘の部分はやわらかい素材のビニールを使い、骨の部分は金属を使い、柄の部分にはプラスチックを使います。
家庭で使わなくなったビニール傘を処分する時に、パーツを分類して捨てる人はいません。
ゴミとして出されたビニール傘を自治体が回収しても、それを分類する作業まで行えば大変な労力が必要です。
今までは、日本国内で毎月30トンほど回収されるビニール傘は、海外へ運んで処分していました。
ですが、そのようなゴミの処分方法が国際問題となりつつあります。
さらに、簡単に海外にゴミを運べないご時世になったことも追い打ちをかけて、不要になったビニール傘が行き場を失いつつあるわけです。
たとえば電車の中に置き去られる傘の大半はビニール傘です。
ビニール傘を忘れ物として引き取りに来る人は滅多にいないので、結局それもゴミとして処分しなければいけなくなります。
リサイクルに不向きで、自然に返るものでもないビニール傘は、ゴミ問題の課題となってしまったのです。
日本人がビニール傘を使う理由
日本人はビニール傘をよく使います。
その理由は、安いこと。
そしてどこでも手軽に買えるからです。
外出する時に降水確率を気にして、傘を持って出かけようか迷う時もあります。
ですが、外出中の突然の雨でも、コンビニに行けばビニール傘が買えます。
コンビニじゃなくても、例えば本屋さんとか衣料品店などでも、雨が降り出した時にはビニール傘を販売するほどです。
日本の天気予報はとても優秀なので、降水確率を気にして折り畳み傘を持って出かければ買わなくても済むはずです。
しかし、500円以下のビニール傘がどこでも買えると思えば、折り畳み傘を持って出る気にならないのではないでしょうか。
また、日本人は少々の雨でも傘を使う人が多いこともビニール傘が売れる理由だと思います。
少々の雨では傘を使わない海外の人たちには、雨が降り出すと多くの人たちがビニール傘を開いて歩く様子が不思議な光景に見えるそうです。
ビニール傘が無くならない理由
ビニール傘を使う人がとても多く、環境問題になっているのにもかかわらずいまだに無くならないのは、ある理由が考えられます。
じつはビニール傘は、日本発祥です。
日本には、和紙で作った和傘がありました。
しかし西洋から布製の傘が入ってきました。
布製の傘は軽くて丈夫なのですが、雨に濡れると染色が落ちるという欠点がありました。
その欠点を補うために、布製の傘にビニールをかぶせるというアイデアを思い付いた日本人がいたのです。
その傘カバーは大ヒットしたのですが、化学繊維と染色技術の進歩によって、不要なものとなってしまいます。
そして苦肉の策として考えたのが、傘の骨に透明のビニールを付けるという発想だったのです。
「顔が見える傘」とか「中が透ける傘」などと話題になって、現在に至るわけです。
たとえば皇室の方々が雨天の公務の際にはビニール傘を使われています。
顔が明るく見えるので、テレビのロケなどでもビニール傘を使っています。
ビニール傘にはメリットもあるので、全てを無くす必要はないと思うのです。
工夫をして生まれたビニール傘ですから、日本人にとって必要なものだと考える人もいるはずです。
ただ、大量生産された安価なビニール傘は使い捨てされることがほとんどです。
そうならないためにも、安価なビニール傘を安易に買わないようにしないといけませんね。
傘を正しく使う
海外の人たちは、よほど強い雨じゃないと傘を使わない傾向があるので、傘を持っていない人も珍しくないのです。
傘を保有している人でも、長傘ではなく携帯用の折り畳み傘の保有率が高いのも特徴です。
長傘は邪魔になるので、外出時には持ちたくないのでしょう。
日本人も同じです。
外出する時に雨が降ってなければ、傘を持って出かけたくないですよね。
しかし折り畳み傘を持って出かけるよりも、
もしも雨が降ったら「ビニール傘を買えばいいや」ってなるね
ビニール傘が1本1,000円以上する品物であれば、簡単には買わないでしょう。
そして、もう一つ問題なのが、傘の使い方です。
よく台風のあとに街に壊れたビニール傘が散乱しているのを見ます。
傘は風雨の時には役に立ちません。
風が強い時は、傘ではなくレインコートやポンチョなどの方が適しています。
「壊れたら捨ててしまえばいい」って考えるからだろうね
そういう考えをなくして、どうしても必要に迫られてビニール傘を購入したのなら、壊れるまできちんと使う意識を持つことが大切です。
世界でも傘の保有率はトップクラスですが、半数はビニール傘と言われています。
毎月30トン近いビニール傘が捨てられていることを、多くの人たちが知る必要があるのではないでしょうか。
まとめ
日本には雨が多い季節があるので、雨具は必要です。
だからこそ、大切に使い続けられるものを選ぶ意識を持たないといけませんよね。
こだわりを持って選んだ傘は、簡単に忘れ物にすることはないでしょうから。