みんな大好きな鶏のから揚げですが、お店で唐揚げを注文すると、レモンが添えられていることがありますよね。
鶏のから揚げだけじゃなく、揚げ物にはレモンが添えられることがあります。
当たり前に添えられているものなので、疑問に思ったこともなかったのですが、何人か「レモンは要らない」という人に出会ったことがあります。
大人数の食事で、大皿料理として唐揚げなどの揚げ物が出された時に、何も言わずにレモンをかけるのはマナー違反という人すらいます。
たしかに好みはそれぞれ違うので、取り分ける前にレモンをかけてしまうのは良くないのかも知れません。
ですが、レモンが添えられるのには何か理由があるはずです。
苦手かどうかは別の話で、レモンをかけるのはどんな意味があるのでしょうか。
唐揚げにレモンはいつから
鶏のから揚げにレモンを添えるようになったのは、どこの誰が始めたからなのか、はっきりとした記録は残っていません。
揚げ物にレモンを添えるのは、欧米の料理にはよくあるので、洋食屋などでフライにレモンを添えていたのが家庭に広まったという説があります。
そもそも鶏の唐揚げは、中国の調理法がもとになっています。
中国は唐と呼ばれていたので、唐揚げの起源は中国なのです。
鶏の唐揚げは、家庭料理としても人気メニューになります。
家庭でも簡単に鶏の唐揚げが作れるように、調味料がブレンドされた「からあげ粉」というものが発売されたのちは、さらに家庭料理の定番になっていきます。
おうちで作る鶏の唐揚げにレモンを添えるようになったのは、洋食メニューを食べる機会も増えてきた1970年代後半からだと言われています。
洋食のフライものにレモンが添えられるのがオシャレに見えたのと、油っぽい揚げ物料理がレモンの酸味でさっぱりすると感じる人が多かったので、唐揚げにレモンのコンビは定着していくのです。
唐揚げにレモンのメリット
鶏の唐揚げにレモンを添えるのは、レモンの果汁を絞ってかけるためです。
ただの飾りとして添えているわけではないので、レモンが添えられていたら果汁をかけるのは間違いではありません。
そもそも、レモンを揚げ物に添えるのはイタリア料理やスペイン料理などのヨーロッパの食文化をマネしたものです。
揚げ物にレモンの果汁をかけるのは、科学的にもメリットがあると解明されています。
それは、脂肪の吸収を抑える作用があるからです。
レモンの含まれるポリフェノールの一種である成分は、腸で脂肪が吸収されるのを抑えるので、体脂肪の増加を防ぐ効果があるのです。
たださっぱりとさせるだけの目的ではなかったのですね。
ですが、脂肪の吸収を抑える作用が期待できるポリフェノールの成分は、果皮の部分に多く含まれています。
皮を上にして絞っても、脂肪吸収を抑える作用はあまりないのです。
だとすれば、あまり意味はないような気がしますね。
ですが、レモンの酸味の正体であるクエン酸は、消化を促す働きがあるので、揚げ物を食べた後の胃もたれなどを防ぐ効果もあるので、全く意味がないわけではありません。
唐揚げにレモンのデメリット
鶏の唐揚げにレモンをかけるのを嫌がる人に、どうして嫌なのか聞いてみると、「なるほど」と思う理由がありました。
それは、せっかくの唐揚げの味がレモンによってかき消されてしまうのが勿体なく感じるという理由です。
しっかり鶏肉にしみ込ませた味を楽しみたいのに、レモン果汁をかけてしまえば口に入れた瞬間にレモンの酸味を感じます。
それは唐揚げの味を台無しにすると感じてしまうのです。
たしかに、デメリットと言える理由です。
そして、少し面白い理由もありました。
鶏の唐揚げにレモンをかけると、さっぱりして食べやすくなるので、何もかけずに食べるよりも多めに食べて太ってしまうから嫌だという人も・・。
これはデメリットと言えるのか微妙ですが、控えめにしたいのにどんどん食べてしまうのなら、困りますよね。
添えられたレモンの行方
鶏の唐揚げにレモンをかけるのを嫌がる人がいるので、大皿で出された時にレモンが添えられていても全体にかけるのはやめた方が無難です。
ただ、1人分に取り分けてしまうと、添えられたレモンでは足らなくなってしまうこともありますよね。
そんな細かいことなんて気にしたくないのですが、世の中にはそういうことを観察して指摘する人もいます。
どうするのがベストなのでしょうか。
「レモンかけてもいいですか?」と聞けばいいのでは?
でも、嫌だって言いにくくてガマンする人もいると思う
レモンかけたくない人の分を先に取り分ければ済む話でしょ
どれが正解というわけじゃないですが、取り分けるのであれば、先にレモンかけない派を分ける方法が一番良いような気がします。
レモン以外に適しているもの
唐揚げだけじゃなく、揚げ物に添えられることが多いレモンは、酸味が強いので好き嫌いが分かれます。
脂肪の吸収を抑えたり、消化を助ける力があるとしても、強い酸味が唐揚げのおいしさを台無しにすると感じる人がいるのも確かです。
何もつけずに食べても美味しいのですから、無理に何かつけたり、かけたりする必要もないのでしょう。
消化のための食べ合わせを考えるのであれば、消化酵素を多く含む生のキャベツ、セロリ、トマトなどが含まれるサラダと一緒がおすすめです。
大根おろしと一緒に食べるのも消化を助けると言われますが、大根に含まれる酵素には脂肪やたんぱく質の消化にはあまり役に立ちません。
脂肪の消化に働く酵素リパーゼ、たんぱく質の消化に働くアミラーゼを一緒に摂るのであれば、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、モモなどを使って作る生フルーツジュースがお手軽です。
まとめ
唐揚げにレモンをかける、かけないの論争は2017年に放送された「カルテット」というドラマの中でも取り上げられていて、話題になりました。
SNSでもレモン肯定派と反対派に分かれて盛り上がりました。
唐揚げにレモンをかけるかどうかは、好みの問題です。
肯定派の人は反対派の存在を忘れないように気を付けることしか論争をおさめる方法はないと思います。
大勢でテーブルを囲む時には、自分の常識を押し付けないことが大切ですよね。