ランチタイムの飲食店でよくあることですが、1~2名は相席をお願いされることがあります。
これはお店側にとっては回転率を上げるために必要な対策です。
一方の利用者側にとっても、限られた休憩時間で食事する人も多いので、そういう意味では双方ともメリットがあるとも考えられます。
しかし、仕事中のお昼休憩ではなく、昼食のために来店する人もいるでしょう。
時間に制限がないのなら、相席ではなくゆっくりと食事できる席を希望する場合もあると思います。
そういう場合、相席をお願いされても断りたくなると思うのですが、それは失礼で非常識なことなのでしょうか。
むずかしい問題だね
非常識とまでいかないけど
え?って顔はされるかも
順番が後回しになっても
文句言わないなら
断っても別にいいんじゃないか?
最初に聞かれるでしょ
相席をお願いするかも知れないけど
よろしいでしょうか?って
嫌ならその時に伝えればいい
これはさまざまな意見があるでしょうし、飲食店で働いた経験の有無によってもまた違う考え方になるのではないでしょうか。
相席を断りたい人にも色んな理由があるでしょうし、必ずしも非常識とは言えませんが、一般論ではどうなのでしょう。
相席の承諾をするかどうか
行列のできる人気店では、店の入り口などに「混雑時は相席をお願いします」と貼り紙をしていることもあります。
そのうえで入店しているのですから、これは相席を承諾したと考えるため、入店後に断ることは非常識で失礼な行為と言われても仕方ないのかも知れません。
しかし、貼り紙が必ず目に入る位置に貼っていない場合もあります。
そういう場合は「貼り紙を見たはずだ」という店側と「見えなかった」という客側が対立することも想定されます。
もしもトラブルになった場合、これは店側が不利になるそうです。
貼り紙が誰の目にも入るという主張が100%認められることはありません。
このようなトラブルを防ぐためには、スタッフが入店時に「相席をお願いするかも知れませんが良いですか?」と告げることです。
直接告げられて、その時に拒否しなかったのであれば相席を承諾したという扱いになるわけです。
相席の承諾を求められなかった場合
混雑している飲食店では、スタッフの対応が十分ではなく、相席をお願いする旨を伝えらずに待たされるケースもあります。
相席になるとは思いもせずにいたところ相席を案内される。
または既に席に案内されていて、あとの入店した人の相席をお願いされることもあります。
この場合は、実は断ったとしてもお客側が非常識なマナー違反というわけではありません。
混雑している店を利用するのだから、相席を受け入れるのが当たり前というのは店側の一方的な考え方です。
しかし、大半の人は「どうぞ」と受け入れますので、断る人がいると驚かれるのでしょう。
相席を断る正当な理由は必要か
「相席をお願いできますか」と言われて断るのに、正当な理由が必要かどうか。
これに関しては必要ありません。
子供連れだから、ゆっくり話がしたいからなど断る理由は色々想定されますが、店側が納得するような理由がなければ断れないわけではないのです。
しかし、入店時に「混雑時には相席をお願いすることがあります」と予め伝えられていた場合は別です。
相席を承諾しているのに断るのは、契約違反と言われかねないのです。
店側の損害
ランチタイムは短い時間で数多くのお客様を回転せさることで利益を出します。
いわゆる「ランチタイムサービス」は、利益率は低く設定していることが多く、回転が悪いと利益が少なくなってしまいます。
低料金設定の飲食店ではとくにそうです。
そういう飲食店で相席を断るのは、非常識とまでいかなくても、周りから冷たい視線を浴びせられるかも知れません。
店側としては相席を断るお客が増えれば、利益が上がらずに困ってしまうでしょう。
現実的には考えにくいですが、相席の承諾をしたのに断った場合は、損害賠償が請求できるという意見もあります。
一度は受け入れたのに断るのなら、順番関係なく、混雑時間が落ち着くまで待つのがマナーだと思います。
まとめ
日本の飲食店サービスは手厚いのですが、だからと言って昔のような「お客様は神様です」的な考え方でいると、ちょっと痛い人に見えてしまいます。
飲食店側と利用者側の意思の疎通がないとトラブルになるリスクが高まります。
それは飲食店に限らず、接客という全てのサービス分野に共通することではないでしょうか。