人間は感情が動くと涙を流します。
悲しい時、悔しい時、怒っている時、嬉しい時など。
涙もろい人は、人が泣いているのを見るだけでもらい泣きしますよね。
涙が出る仕組みは、感情に関係なく出ることもあります。
よく考えると、涙が出るメカニズムって不思議です。
悲しい時と嬉しい時では、まるで正反対の感情なのに、どちらも涙が出るのはなぜなのでしょうか。
今回はルールではないですが、「なぜ?」と思う疑問について調べてみました。
涙の仕組みについて興味のある方は、ぜひ一緒に考えてみましょう。
涙の出る仕組み
涙が出るのは、感情が大きく動いた時だけではありませんよね。
じつは、涙の出るメカニズムから見ると、3種類に分かれているようです。
感情による涙
悲しみ、喜び、怒りなどに直面した時に出る涙は、脳が反応することで、自律神経が大きく刺激されて涙が分泌します。
怒ったり悔しいときは交感神経。
悲しい時や嬉しいときは副交感神経です。
どちらも感情によって刺激を受けるので、涙だけじゃなく脈拍や発汗などにも作用します。
基礎分泌の涙
涙が瞳から流れなくても、私たちの目は涙で保護されています。
まばたきによって、涙を行き渡らせているのですね。
目の表面が乾いてしまうと、角膜が傷ついてしまうため、感情が動かなくても常に涙は分泌されているのです。
防護のための涙
目にホコリなどの異物が入った時とか、玉ねぎを切ったりすると涙が出ます。
これは目を守るために反射的に分泌される涙です。
目の表面に付着する異物や細菌などを早く追い出して、眼球を危険から守るための機能なのですね。
感情による涙は2種類
感情が動くことで涙が出るのは、脳が刺激を受けるからなのですが、怒った時や悔しい時に出る涙と、悲しい時や嬉しい時の涙の2種類に分かれます。
これは自律神経によって分かれるのですが、どちらも血液量が関係しています。
じつは、涙は血液で作られているのですよ。
涙が血液で??
なぜ透明なんだろう
と思いますよね。
涙は涙腺という分泌器官から出ますから、涙腺から分泌されるまでにフィルターを通って透明になるのです。
怒った時や悔しい時は、交感神経が活発になり、血管が収縮されて脳にたくさんの血液が集まります。
怒った時に顔が赤くなったり、火照ったりするのはそのせいです。
血管の収縮によって、涙腺にも沢山の血液が流れ込むため、怒った時にも涙が出るのです。
逆に悲しい時や嬉しい時は、緊張状態ではないため、副交感神経が優位な状態です。
副交感神経が優位な時は、血管が拡張します。
悲しみや喜びによって感情が動くと、血管の拡張によって涙腺に血液が送られるので、涙が出るのです。
悲しみと喜びは違う感情ですが、自律神経のバランスとしてはどちらも副交感神経が優位になるので、涙の出る仕組みとしては同じなのです。
どちらも、フラットな状態ではなく、交感神経と副交感神経が大きく動くことで、血液が涙腺に流れ込むのが涙のメカニズムなのですね。
涙の味は感情で違う
涙の仕組みについて調べていると、面白いことがわかりました。
それは、感情によって涙の味が違うというのです。
怒りや悔しさによって流れる涙は、塩分が多めでしょっぱく感じる人が多いとか。
反対に悲しみの涙や嬉し涙は、味がしないとか甘く感じるという人もいます。
ほんとにそうなのか、すぐに確かめたいのですが、自由自在に感情を揺さぶって涙は出せないので、その時がきたら確認してみましょう。
なぜ涙の味が違うのかという理由は解明されています。
怒りや悔しさで涙が出る時は、血管が収縮されて涙腺に血液が流れるので、大量に涙が出るわけではありません。
ですから、塩分濃度が高くなるわけです。
一方の悲しみや嬉しさから出る涙は、血管が開放された状態なので次々に血液が送られるため涙の量も多くなります。
そのため、塩分濃度が低くなり無味、または甘く感じるという人がいるのです。
もらい泣きのメカニズム
涙もろい人は、自分には無関係なことでも人が泣いているのを見るだけでもらい泣きしてしまいます。
じつは私の涙腺は、ものすごく緩いので、高確率でもらい泣きします。
もらい泣きしやすい人と、人が泣いている様子を見てももらい泣きしない人の違いは何なのでしょう。
もらい泣きのメカニズムを調べると、自分の身に置き換える能力が関係していることがわかりました。
人間の脳内には、ミラーニューロンという神経細胞があります。
それは目や耳から入ってくる情報の中にある他人の体験を、自分に置き換えるのです。
悲しいストーリーの小説や映画を見て泣いたりするのも同じです。
自分が体験しているかのように感じることができる機能があるので、もらい泣きするのです。
もらい泣きをあまりしない人は、自分に置き換えるよりも客観的に物事を見る能力が優れているのだと考えられています。
まとめ
嬉し涙は、悲しい時に出る涙と同じ種類だったのです。
ちょっと意外でしたが、感情が大きく揺れるのは、どちらも同じなのでしょう。
怒っている時や悔しい時には涙が出ない人もいますが、怒りから泣いてしまう人は、ぜひ涙の味を確認してみてください。]