春は引っ越しシーズンなので、引越し業者を探すのも簡単ではありません。
複数の引越し業者から見積もりを出したり、どうすれば安い費用で安全に荷物を運べるのか頭を悩ませたりします。
日本では、引越しと言えばこうして業者に依頼するのが当たり前になっていますが、いつから引越し業者というのが誕生したのでしょうね。

そもそも、引越し業者って日本以外にもあるのだろうか

そりゃあるでしょう

えー、聞いたことないけどな
言われてみれば、たしかに海外の引越しにも日本のような専門業者を使うのかどうか気になります。
日本の引越し事情と比べてみたいと思います。
引越し業者はいつから?
現在では、引越しは業者に丸投げできるほど、サービス内容は充実しています。
費用さえ惜しまなければ、荷造りから荷解きまで業者に依頼できるほどです。
まさに至れり尽くせりなのですが、そもそも引越し専門業者が日本に誕生したのは1970年代のオイルショックのころです。
不景気で運送業界は不況の波を受けて厳しい状況に追い込まれたため、引越しに本腰を入れる業者が出てきたのです。
それまでにも、運送業者が引越しの荷物を運ぶことはあったのですが、あくまでも荷物を運ぶだけでした。
荷造りもしないし、家具や家電などの運び出しのために梱包などはしませんでした。
ただ運ぶだけなので、傷がついたり、破損することも珍しくはなかったようです。
運送業者が暇なときに、オマケ的に受けていた程度の引越しを専門に請け負う業者が増えてくると、次第にサービス内容を充実させるなどの競争が始まり、どんどんサービス向上されていったのです。
1970年代までの引越し
引越し専門の業者が生まれるまでの引越しは、すべて自分たちでするものでした。
家族、親戚、友人、ご近所さんの手を借りて、トラックやリヤカーなどを使って自分たちで引越しするのが当たり前だったのです。
しかし、戦後の復興スピードが速まると、転勤族も増えてきます。
働きながら、度々の引越しをすべて自分たちで行うのはかなり負担だったでしょう。
それが消費者のニーズとオイルショックという不景気とが合致して、引越し専門の業者が誕生したのです。
海外の引越事情
日本では、引越しする理由は就職や転勤など、仕事が絡むことが多いですよね。
そのため、自分の望むタイミングで引越しすることができず、限られた短い日数で急いで準備しなければいけません。
そのような事情が、引越し業者を生む理由だったのではないでしょうか。
海外では、少し事情が違うようです。
アメリカの引越し
アメリカ人は、引越し好きな国民と言われています。
そもそも、日本で戸建住宅を購入する感覚とは違い、ライフステージに合わせて、家を売り買いしながら住み替える人が多いからです。
それだけ引越が多いのであれば、引越業者もきっと沢山あるのでは・・と想像しますが、じつはそうではありません。
アメリカにも引越業者はありますが、日本のように細やかなサービスはありません。
基本的に荷物を運ぶだけなので、家具や家電を傷つけたり、壊してしまうことも珍しくないようです。
ただ、アメリカだけじゃなく欧米諸国では、引越時に家具を置いていくケースが多いので大した内容ではないのでしょう。
そして、日本には根付いていないチップの習慣があるため、引越業者へ手渡すチップの金額によって、サービスに差が出てしまうなんてこともあるようですね。
オーストラリアの引越し
オーストラリアの引越しは、基本的には自分たちで行うのが一般的です。
業者がないわけではないですが、日本のような行き届いたサービスをする引越し業者はありません。
2人の男性とトラック1台の業者がほとんどで、本業ではなくアルバイト感覚で請け負う業者が多いそうです。
チップを渡す必要はなく、費用は1人1万円くらいが相場なので、リーズナブルですが、梱包は一切しませんし、依頼者本人も一緒に運ぶのが当たり前になっています。
友達にお礼を手渡して、トラックをレンタルして引越しするような感じですね。
ドイツの引越し
ドイツの住宅事情は、都市部では賃貸物件で生活する割合が高いのが特徴です。
引越し業者はありますが、かなり高額です。
荷物の量や移動距離にもよるので、単純に日本と比較することはできませんが、独身世帯でも10万円を超えるのは珍しくないそうです。
そのため、自分たちで引越しする人が大半で、もしも身近に手伝ってくれる知人や友人がいない場合は、ネットの掲示板で有償で手伝ってくれる人を募集して行うなど、工夫しているようです。
まとめ
日本の引越し業者は、とても競争が激しいので、数社の見積もりを比較すると数万円の差があります。
その差は、サービス内容の差と言ってもいいでしょう。
しかし、海外の引越し事情と比べると、日本の引越しは恵まれているのだと実感しました。
これは、運送業界が大不況の中で苦肉の策として始めたサービスだからでしょう。
需要だけで生まれのではなく、生き残るために生み出されたからではないでしょうか。