学校について、校舎内に入るときに必ず通らなければいけないのが、下駄箱です。
全校生徒の下駄箱のスペースを確保しなければいけないので、意外と広い面積が必要なのですよね。
当たり前のように、何の疑問も持たないまま、校舎に入る時に上履きに替えていますが、よく考えると不思議です。
たとえばオフィスでは、ラクなオフィス用の靴やサンダルに履き替える人もいますが、外履きの靴のままの人もいます。
それは自分の都合と理由です。
しかし学校はそうではありませんよね。
ほとんどの学校では、指定の上履きに履き替えています。
いったいなぜなのでしょう。
上履きに履き替えるようになったのはいつからなのか、またその理由について考えてみました。
上履きはいつから続いているか
校舎内に入るときに上履きに履き替えるのは、学校が西洋風建築になっていく過程からだと言われています。
身分の高い家の子供たちが通う学校は、明治時代からすでに西洋風の建物になっていました。
西洋では、玄関で靴を履き替える習慣がないので、外履きのまま校舎内に入る設計でも不思議ではありません。
しかし、日本人にはまだなじみのない習慣です。
江戸時代までの子供たちの学びの場所は、寺子屋と呼ばれるような場所です。
畳の部屋で正座をして勉強するので、履き物を脱いでいます。
それがいきなり西洋風の校舎になるからといって、簡単に習慣を変えるのは難しかったでしょう。
しかも西洋風の建築物は床が冷たく、素足では厳しかったと思われます。
それで考えられたのが、昇降口という「履き物を替える場所」を作る案です。
明治時代にはすでに、昇降口のある学校建築が誕生していたのです。
上履きの種類はイロイロ
学校の上履きの種類は、靴底が薄く、簡単に履ける学校指定が多いですよね。
しかし、そのスタイルになる前は、下駄やサンダル、スリッパのようなものまで色々あったようです。
今のような指定シューズが一般的になったのは、昭和になってからなので、それまでは下駄やサンダルなどバラバラだったのではないでしょうか。
上履きに履き替えるホントの理由
校舎に入る時に昇降口で上履きに替えて、下校の際には外履きに替えるというのは、今の文化では必要ないのではないか・・という疑問を持つ人もいると思います。
実際に、全国的には上履きを廃止する動きも少しずつあるようですが、まだまだ少数なのです。
上履きに履き替える理由は、校内が汚れるのを防ぐためと思っている人が多いでしょう。
もちろん、それもあります。
しかし、それだけではないのです。
むしろホントの理由は、昇降口を通らなければ校内の出入りができないようにするためだと言われています。
児童や生徒の様子を教師たちが確認しやすくするために、校内への出入り口を1つにするのが昇降口の目的と考えられます。
上履き廃止の動き
学校の上履き文化に疑問を持つ人は少ないのでしょうが、少しずる上履き廃止の学校が増えているとも言われています。
校舎の建て替えなどをきかっけに、昇降口をなくして、上履き廃止にする学校が東京都内にも出始めています。
その理由は、防災のためが一番大きいようです。
上履きは靴底も薄いため、災害時に緊急避難する場合などにはリスクがあります。
わざわざ履き替えるなんて、災害時にはできません。
避難訓練時には、上履きのままグラウンドに出たという記憶もあるのではないでしょうか。
子供たちの安全を第一に考えるのなら、たしかに廃止した方が良い気がしますね。
まとめ
上履きに履き替えるという習慣は、これから何十年後には消えるかも知れません。
それが当たり前になるのはまだ先の事でしょうが、昇降口の下駄箱に手紙を入れるという昭和の学園ドラマのような光景はすでに消えています。
懐かしく思い出す日が来るのでしょうね。