愛知県出身の私にとって、昔ながらの喫茶店が再注目されているのは嬉しい限りです。
首都圏で生活するようになってからも、コメダ珈琲が続々と出店しているおかげで、喫茶店渇望を免れています。
愛知県や岐阜県野人間にとって、喫茶店は生活に沁み込んいますし、他の地域の人たちは「やりすぎ」と感じるモーニングサービスも当たり前なので逆に不思議です。
ところで、なぜ愛知県や岐阜県などの東海地方では、あんなに喫茶店文化が発展したのでしょう。
そのルーツについては、愛知県民も知らない人が多いのです。
何を隠そう、私自身も知りません。
早速ですが、調べてみました。
東海地方の喫茶店文化の起源
名古屋を中心とする東海地方では、なぜ喫茶店文化が根付いたのでしょう。
海外からカフェチェーンが入ってきて、さすがに一時期は昔ながらの喫茶店も減った印象がありました。
ですが、常連客に支えられている店は根強く続いています。
その起源には、いくつかの説があるようです。
興味を引いたのは、尾張徳川家の意向が反映されたという説です。
名古屋という土地は、海があり、山からの豊かな水が流れているため、作物も豊富に育ちます。
豊かな土地柄なので、庶民にも娯楽や芸事を楽しむ余裕がありました。
舞踊などの芸事のほかに、茶の湯を嗜む人も多かったと言われています。
それが喫茶店文化の起源というのは、少し無理がありますよね。
ただ、尾張のお殿様が商業の発展のために力を注いだことが、今の喫茶店文化につながっているとも考えられています。
つまり商人たちが打合せや商談のためにお茶を飲みながら話す場所として、お茶屋を使っていたことから、現在の喫茶店文化に発展したという説もあるのです。
1つの理由ではなく、様々な理由が複合的になり、名古屋独自の喫茶店文化が発展したのではないでしょうか。
モーニングサービス発祥は
名古屋を中心とする東海地方の喫茶店では、ほぼほぼモーニングサービスをしています。
モーニングサービスとは、コーヒーや紅茶などの飲み物に無料(プラスされることもある)でトーストやゆで卵などがついてくるサービスのことです。
今では全国展開しているコメダ珈琲でも、もちろんモーニングサービスがあります。
厚切りトースト半分とゆで卵1個が、飲み物に無料で付いてきます。
これが東海地方以外の人には驚きだったようで、コメダ珈琲人気のきっかけになったのではないでしょうか。
モーニングサービスの発祥は、名古屋のほど近い一宮市の喫茶店からだと言われています。
評判が広まると、愛知県から岐阜県にかけて、モーニングサービスをする喫茶店が増えていったわけです。
製造業が盛んな地域でモーニングサービスが広まっていったと言われているので、朝食を外で食べて仕事を始める人のために、早朝から開店させる喫茶店が増えたのでしょうね。
モーニングだけじゃないサービス
東海地方の喫茶店は、モーニングサービスが有名ですが、じつはモーニング以外にも驚かれることがあります。
それは、飲み物を頼むと豆菓子やクラッカー、あられ、カップケーキ、バウムクーヘンなどが頼んでいないのに付いてくることです。
私たちにとっては、当たり前すぎることです。
ところが、東京から名古屋に引越してきた友人は
どうしてどこの喫茶店に入っても、コーヒーにお菓子が付いてくるのよ
と驚いていたのです。
私は愛知県にいた頃に6つの喫茶店でアルバイトした経験があります。
その6つの中で、コーヒーなどの飲み物にお菓子を付けないお店は1つもありませんでした。
それから、カップの中の飲み物が空になっても、別に追い出すようなこともしません。
それどころか、梅昆布茶やほうじ茶などをサービスして、ゆっくりとくつろいでもらえるようにサービスしていました。
居心地良く、長い時間くつろぎやすいのが、東海地方の喫茶店の魅力なのです。
また、コーヒーチケットは行きつけの喫茶店を作る土台になっています。
コーヒーチケットは、コーヒー1杯の価格が350円だったとして、11枚綴りを3500円で販売するようなシステムです。
1杯分がお得になるので、常連さんには嬉しいですよね。
お店にチケットホルダーがあり、お店にチケットを預けておくのも、信頼関係を表しています。
じつは岐阜県の方がスゴイ?
名古屋の喫茶店モーニングは全国的にも有名になりました。
ですが、じつは岐阜県の喫茶店の方がモーニングサービスが激化しています。
サービスの域を超えているのでは!と言われるほどボリューム満点のモーニングを提供しているお店が多いのですよ。
岐阜県は、喫茶店での消費金額が愛知県を抜いています。
じつは名古屋よりも喫茶店文化が発展しているのです。
岐阜県に行くことがあれば、ぜひモーニングサービスを楽しんでみてください。
まとめ
東海地方の喫茶店文化は、モーニングサービスだけに注目されがちです。
ですが、モーニング以外にも魅力的なサービスがあります。
その土地で求められたから発展した文化なので、他のところでも根付くがどうかはわかりません。
愛知県民としては、ぜひ東海地方の喫茶店文化の魅力を広く知って欲しいと願っています。