タワーマンションに住んでいる人にとって、エレベーターは生命線のようなものでしょうね。
エレベーターが使えないような状況になると、とても困ると思います。
ところで、マンションのエレベーターは常に1階に戻すのが集合住宅に暮らす者の常識的なマナーだと聞いて驚いたことがあります。
マンションに住んだことないけど、
ほんとにそんなマナーあるの?
オフィスビルとかのルールじゃないの?
へえ、そんなルールがあるんだ
いや、ルールかどうかは知らない・・
一般的なマナーとか、常識的なルールと思い込んでいる人はそれほど多数派ではないのかも知れません。
そこで、集合住宅のエレベーターのルールについて、掘り下げてみました。
マンションエレベーター問題
マンションのエレベーターは、常に1階に戻すのが常識的なマナーだという考え方ですが、これは世の中に浸透しているマナーとは言えないようです。
しかし、この問題がマンションの自治会でもめる議題になることは珍しくないとか。
なぜ問題になるのか、いくつかの事例をあげてみました。
防犯の問題
マンションのエレベーターを1階に戻すのは、防犯のために必要だと考える人がいます。
それは降りた階がわかってしまうからでしょう。
しかし、1階に戻す前から見られていれば、どの階で降りたのかわかってしまいます。
1階に戻すことが、どの程度の防犯効果があるのかは不明です。
電力消費の問題
エレベーターは、消費電力が大きいので、誰も乗っていないのにわざわざ1階に戻すのは無駄になります。
たしかに1階から乗る頻度が高いのかも知れませんが、わざわざ1階に戻したのに、次にエレベーターを使うのが上の階の人だったら、まったくの無駄な行為になります。
無駄な電力を使うことは、今の時代に沿わないルールではないかと考える人が増えています。
電気料金の負担
マンションのような集合住宅では、エレベーターなど共用機器の電気料金は住民は公平に負担するものです。
しかし、マンションの1階の住民がエレベーターを使用する頻度はとても少ないです。
1階の人にとっては、自分が滅多に使わないエレベーターの消費電力は極力減らしたいと思うのでしょう。
そのため、1階に戻すというルールは不要だと考えて、自治会などでは反対意見を出すケースがあるようです。
エレベーターの進化の話
マンションのエレベーターは1階に戻すのがルールという問題について、色々と調べてみるとわかったことがあります。
それは、古いタイプのエレベーターを使っている集合住宅では、1階に戻すことで時間のロスを短縮できるとしてルールにしたケースがあったようなのです。
この「古いタイプ」というのがポイントです。
非常にゆっくりと動く古いエレベーターを使っていると、もとに戻すのに時間がかかるため、「1階に戻しておきましょう」と言い出した人がいたのでしょうね。
例えば何基もエレベーターのあるオフィスビルなどでは、1基は1階に戻るようにコンピューター設定されています。
タワーマンションのエレベーターも、コンピューターが自動制御しているので降りた人が戻さなくても自動で昇降頻度の高い階に戻るような設定がされているのです。
つまり、よほど古いエレベーターでない限り、わざわざ1階の戻すのは電力消費の面でも、手間の面でも無駄ということなのです。
まとめ
集合住宅なのだから、エレベーターを使ったら元に戻す(1階に戻す)のはマナーとか、常識だというのは、今の時代には必要なくなったことだと思います。
しかし、古いルールをそのままアップデートできない人もいます。
もしも自治会などで困ったのなら、エレベーター業者の方に説明してもらうと良いのではないでしょうか。