町内会や自治会を非対面のグループチャットで完結する事例について

不思議なルール

町内会や自治会というのは、ご近所さん同士が顔を合わせて話し合いをしながら、その地域の住民で自治をするのが目的です。

地方行政を司る役所としては、住民たちが自ら率先してその地域の問題を話し合い、お互いが助け合う仕組みはありがたいはずなので、きちんと活動している町内会には補助金が出ることもあるようです。

会費の額は町内会、自治会ことに違うのは、会員数や行政からの補助の違いもあるのではないでしょうか。

最近、町内会の高齢化や会員数の減少により、存続そのものが危ぶまれているケースもあるようです。

しかし存続の危機は、単なる人口減少、高齢化、会員数の減少だけではなく、人と人が対面して話し合うこと自体を避けるご時世になったことも影響しているようです。

人が集まる場所を避けることが当たり前になり、それが数年単位で続いた結果、人が集まる町内会や自治会の必要性について改めて考える機会になったのかも知れません。

話し合う機会がないと

町内会の意味もなくなるのか

集まることがなくなれば

町内会のイベントもなくなる

それで消滅すれば

喜ぶ人もいる・・と

まあ、そうなのですけどね。

しかし町内会がなくなると、行政とのパイプもなくなるので困ることもあるのです。

例えばゴミの収集は、行政と町内会が話し合って収集場所を決めたり、収集方法の変更などを議論することもあるのです。

それに、町内会を失くしたくない人も一定数いるため、何とか非対面でも存続できる方法はないものか・・ということでLINEなどのコミュニケーションツールのグループチャット機能を使って話し合いの場を作っている事例もあるのです。

それはなかなか考え付かないアイデアだね

うんうん

それなら発言しやすいかも知れない

匿名ならさらにいいねぇ

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町内会グループチャット

ここで、ある事例をご紹介します。

約1000世帯が加入している町内会のことです。

首都圏ですが、戸建て住宅が多いエリアなので町内会の加入率は高いのですが、高齢化が進み、運動会や夏祭りなどのイベントごとを行うための人員確保に困ることも多くなったところへ感染症による行動自粛が始まり、町内会の行事の開催もできなくなりました。

このタイミングで町内会長が交代することになり、新たな町内会の組織運営をするにあたり、行事などを決めるための協議の場を設けることもできなかったときに、新旧役員でLINEのグループを組み、そこでチャット形式で議論をすることになったのです。

しかし、役員のほかにも班長やグループ長などが数十人いて、一般の会員もいます。

総会を行ったり、集会所で話し合いの場を設けることが一切できないのは、組織の運営にも支障が出てしまいます。

行動制限の間は、集まって行うイベントはすべて中止となりますが、中止という決定事項だけをお知らせするだけではなく、一般の会員が意見を言える場所を作らなければ町内会として存続させる意味がなくなってしまうのではないだろうか・・。

そう考えて、LINEのオープンチャットという機能を使って町内会の意見交換の場が生まれたという流れです。

オープンチャットとは

LINEにグループ機能があるのはご存知の方も多いでしょうが、オープンチャットというのは匿名(ハンドルネーム)で使用できるのが通常のグループLINEとは違うところです。

完全にオープンで、誰でも匿名で参加できるチャットは、荒れてしまいそうですが、LINEのオープンチャットは承認制に設定することが可能なので、前述の町内会の場合でも役員の承認制となっています。

参加を希望すると、承認のための質問に答えなければならない設定にできるため、町内会の者かどうか本名、住所、電話番号で確認します。

確認できれば参加可能になるので、本名でも通常のLINEの表示名でもなく、ハンドルネームを作りオープンチャットに参加してトークできるという仕組みです。

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匿名のチャットを使うメリットとデメリット

町内会や自治会は、幅広い年齢層が参加するため、グループチャットというツールは違和感や抵抗感を持つ人も多いような気がしますが、意外とLINEというツールはシニア層でも利用しているため、あまり強い抵抗を持たずに使えているようです。

これは町内会に限らず、さまざまな地域コミュニティーがLINEのオープンチャットを使っている事例があることからもわかります。

わざわざ新たなアプリを入れる必要もなく、現在使っている人がとても多いLINEを使うことで、多くの参加者が発言できる場が作れるのではないでしょうか。

ただ、メリットだけではなくデメリットもあります。

それぞれ見ていきましょう。

メリット

・無料で使える
・利用者が多く使い慣れている人が多い
・匿名で使える
・管理者次第で承認制にできる
・匿名なので積極的に発言できる
このようなメリットを考えると、オープンチャットは不特定多数の人たちのコミュニケーションツールとしてはかなり優れているのではないでしょうか。

デメリット

デメリットもあります。

まずは匿名で使うことが前提のオープンチャットですが、地域の方たちとの交流で匿名は使いにくいという点です。

また、匿名になると攻撃性のある発言によって、チャットが荒れてしまうことも考えられます。

NGワードを設定したり、管理する立場の人がきちんとチェックしていないと、対面ではないだけに言いたい放題になると収拾がつかなくなることがあるのでその点は注意が必要です。

まとめ

今回は、まだ全国的にもあまり多くの例を見ない町内会や自治会の交流や議論の場を非対面で匿名のオープンチャットというツールを使うケースをご紹介しました。

匿名のオープンチャットは、あまりいいイメージを持たれないのですが、使い方次第でとても便利であり、多くの人たちの意見を集約できる場所になるのではないかという可能性について触れてみました。

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