日本人は寄付がキライ?人助けワースト2位の理由

お国柄

海外からの観光客に日本の印象を聞くというようなインタビューでは、日本人に対して「やさしい」とか「礼儀正しい」などという好印象の言葉が聞かれます。

あと、財布を落しても拾った人が届け出てくれて戻ってくることが信じられないというのも、よく聞くエピソードです。

そういう評価をしてもらえることは、日本人の末端にいる私も嬉しいのですが、その反面でこんな統計結果があります。

「世界人助け指数ワースト2位が日本」という事実。

やさしいと言われる日本人なのに、なぜ?と不思議に思うのですが、これは「寄付」や「ボランティア」をしたかどうかの調査の結果です。

寄付やボランティアという積極的な行動をしてまで人を助けようという意識は、日本人は薄いということがわかる結果です。

いったいなぜ日本人は人助けの意識が薄いのでしょうか。

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日本人の寄付への意識

日本では、寄付やチャリティーへの意識が低い理由として考えられることはいくつかあります。

裏付けがあるわけではないでしょうが、なるほどと思うことや自分自身にも当てはまることもあります。

歴史的背景

日本では「寄付」という行為を「施し」として見る人多く、上から施しを与えるというのはあまり良い印象を与えないから寄付はしたくないと考える人も少なくありません。

これは古くから「共同体で支える」という制度が各地で根付いていたからだと考えられます。

地域によって名称は違うのでしょうが、要するにコミュニティの中での支え合いの仕組みです。

コミュニティの中で困った人がいたら全員で支えるような制度があったからです。

これも一種の寄付のようなものですが、寄付との違いは「情けは人の為ならず」の理念で行われているものであり、自分もその支え合いの制度に助けられる日が来るかもしれないという意識でそこに加わるということです。

困った時はお互いさまというのも、よく使われますが、まさにそのことです。

一方的に施すのではなく、相互扶助の精神で支え合ってきたのが日本の文化なのでしょう。

目立ちたくない

寄付をするという行為に対して偏見を持っていたり、揶揄するようなことがネット上で見られることがあります。

例えば著名人が災害時に寄付をすると表明した時など「売名行為」と批判されることが度々あります。

2011年の東日本大震災以降は少し変わったように思いますが、それでもまだ時々そういう批判は見られます。

こういうことが一般人の寄付への行動を抑制してしまうのではないかと考えられます。

匿名の寄付やコンビニやスーパーのレジ横に置いてある募金箱などに釣銭をサッと入れるくらいなら抵抗は少ないのかも知れませんが、街頭で呼びかけている募金活動などには躊躇してしまうとい人もいるのではないでしょうか。

寄付への信頼性

過去に寄付を募っていた団体の不正行為が発覚したり、NPO法人のような非営利団体や慈善団体の活動やお金の流れがわからないなど、寄付そのものに不信感を持っている人が少なくありません。

性善説はひとつの不正行為で壊れてしまい、それが消えるまでに長い時間がかかります。

寄付をするならそのお金がどう使われたのか見届けないと納得できないと考えるのは、むしろ当たり前なのではないでしょうか。

税制の違い

欧米諸国では、富裕層が多額の寄付をしやすいような税制度が整っている国が多いようです。

税金対策のために寄付をするというと、ちょっとアレ?って気持ちにもなりますが、制度としてあることなので悪いことではありませんよね。

たくさん稼いで富を得た人が、その中から寄付をして課税所得から控除されるという制度によって積極的に寄付をしようとするお金持ちが増えればヨシ!ということ。

日本にも寄付控除の制度はあります。

課税所得もしくは税額から控除される制度です。

ですが、手続きは簡単ではなく、確定申告しなければ控除が受けられないケースもあるため、なかなか広まらないのではないでしょうか。

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寄付の変化

日本で寄付と言えば賛否の分かれる民法で毎年放送される24時間テレビのチャリティーです。

番組内で寄付金がどう使われているのか紹介されるので、役に立っているという実感があるという感想もありますが、チャリティーなのに出演者に多額のギャラが発生するのがおかしいという意見もあります。

この賛否についてはここで取り上げても仕方ないので掘り下げませんが、1年に1度くらいはチャリティー精神をみんなが持って行動しようという定番を作ったことは悪くはないと思います。

しかし、そんなことでもなければ寄付もしないのか・・という気持ちになり冷めてしまう人がいるのも理解できます。

ところが、クラウドファンディングが普及してから変化が起こっているように感じます。

上からの施しではなく、応援というカタチなので抵抗を感じにくくなっているのでは。

また、その対象が見えることもクラウドファンディングの良さであると思います。

個人でもクラウドファンディングは立ち上げられるのも広まる理由ではないでしょうか。

人助けワースト2位から脱するためには、寄付だけではなくボランティアも重要なのですが、度重なる大規模災害のたびにボランティアへの意識も高まっているように感じます。

いつか上位になる日が来るのかわかりませんが、支え合いの気持ちは忘れずにいようと思っています。

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