日本の結婚式には、ゲストを泣かせるためのテッパンの演出があります。
花嫁から親への感謝の手紙です。
あの場面では、当事者でもないのにゲストも泣いている人が多いですよね。
花嫁からの感謝の手紙は、日本の結婚披露宴には欠かせない演出となっています。
ですが、あれは海外の人からみるとかなりの違和感があり、やめて欲しいと思っている人もいるようです。
お国柄の違いなので、賛否が分かれるのも仕方ないとは思います。
でも、なぜあの演出が嫌なのか、その理由がちょっと理解できません。
日本の結婚式は泣くための儀式なのか・・と不思議に思う外国の方たちの感想も聞いたことがあります。
日本の結婚式は、海外の人からどう見えているのか探ってみました。
外国人から見た日本の結婚式
結婚式の文化は、世界各地域で色々違います。
日本の結婚式のスタイルは、人前、神前、仏前がありましたが、西洋式の結婚式が人気を集めるようになると、日本独自の結婚式スタイルが出来上がってきました。
その中で、外国の方たちが見て不思議に思う点を集めてみました。
なぜ招待客が祝儀というお金を出すのか
なぜスピーチが堅苦しいのか
なぜ泣かせる演出をするのか
なぜ結婚式に大金が必要なのか
なぜ幼い子供が出席できないのか
花嫁の手紙がなぜ嫌なのか
結婚披露宴の終盤になると、新郎新婦が親への感謝の気持ちを花束に込めて贈呈する演出があります。
その前に花嫁が親にあてた感謝の手紙を読み上げるのも、日本の結婚式の演出としては定番です。
ここでゲストが泣くのが、最高潮の盛り上がりと感じる人が多いのが日本人の国民性でしょう。
しかし外国の方たちは、この演出がどうも苦手らしいのです。
家庭の中のやりとりをなぜみんなの前で披露しなければいけないのか・・と感じる人がいるようです。
例えるなら、恋人同士が人前でイチャイチャしているのを、見せつけられるような感覚に似ているそうなのです。
この意見には驚きましたが、そう感じる人もいるのですね。
日本人は親子でも素直に感謝の気持ちを言葉にするのが苦手なタイプが多いので、素直な感謝の言葉を伝えることが大切だと思われているのでしょう。
本来であれば、親元から出ていく時に育ててもらったことへの感謝を伝えるものでした。
昔のドラマや映画のシーンで観たことある方も多いでしょう。
白無垢姿で両親の前に手をついて、「お父さん、お母さん、これまで育ててくれてありがとうございました」と別れの挨拶をするのです。
しかし、最近は面と向かって挨拶をしないまま結婚式当日を迎えるケースが多いので、手紙のシーンの重要性が増しているのではないでしょうか。
そして、ゲストがそのシーンで泣くのも不思議な光景に映るようです。
感情移入してしまう人が多いのですよね。
これも日本人の気質とも言えるのではないでしょうか。
ゲストの負担は疑問
日本では、友人や同僚など3万円、親族では5万円以上ものご祝儀が相場だと言われています。
北海道とか沖縄など、会費制が定番になっている地域を除き、ご祝儀相場は変わりません。
日本で長く暮らしている外国の方は、日本人の友人や仕事関係者から招待状が届くと、素直に喜べなくて、悩んでしまう人もいるようです。
日本以外では、ゲストのお金の負担はあまりなく、新郎新婦が振る舞うのが結婚式のスタイルになっている地域がとても多いです。
たとえばイギリスでは、新郎新婦へ渡すお祝いのプレゼントもなくなりつつあるとか。
その代わりに、慈善団体などで寄付するシステムなどが定番になりつつあるようです。
ただ、アメリカでは友人の結婚式に関する出費は日本と同じくらいと言われています。
ただ、そこにはプレゼントだけじゃなく、衣装代や独身最後を祝うパーティーなどの費用を全て含めての話です。
日本の場合はご祝儀だけで3万円なので、衣装やヘアメイク、旅費交通費、二次会の会費などを含めると5万円は超えそうです。
結婚だけじゃなく、ご祝儀文化が根強いため、今さらなくなるとは思えません。
ただ、外国の方には馴染まない文化だと理解しないと戸惑うのは当然でしょう。
お色直しはなぜするのか
外国の方が日本の結婚式に出席して驚くのが、まるでファッションショーのように何度も衣装を着替えることです。
日本では、結婚式の衣装はレンタルが主流なので、何度が着替えることもできます。
しかし欧米などでは購入ケースが多いのです。
オーダーメイドで作る人もいるくらいなので、何度も着替えていたら、莫大な費用になってしまうため、1着のドレスで通すのでしょう。
そう考えると、なぜ日本では何度も着替えるのか不思議ですよね。
お色直しは昔からの習わしがあり、白無垢から色打掛に変えることで、夫の家に染まったということを表していたのです。
白無垢から色打掛、純白のウェディングドレスからカラードレスへと着替えるのは、そういう意味が込められているわけです。
ただ、新郎まで着替える必要はないのですが、新婦に合わせるのが一般的になっていったのでしょう。
お色直しの文化は、「結婚したら女性は夫の家の人間になる」という考え方が強いので、今でも続いているのではないでしょうか。
スピーチが堅苦しい理由
結婚式に招待されて、スピーチを頼まれると、すごく緊張しますよね。
それは、日本の結婚式では礼儀やマナーがとても重視されるからです。
おめでたいことに水を指すような言葉やエピソードは厳禁というのが、常識とされているため、事前にスピーチの内容を作成して、失礼のないように練習します。
だから決まりきったお祝いの言葉ばかりが続き、面白くないわけです。
スピーチにタブーが多過ぎるので、退屈な内容になってしまうのでしょうね。
結婚式に大金がかかるのはなぜ
結婚式にかかる費用は300万円~400万円の間が相場だと言われています。
しかも、この相場は結婚式に必要な金額だけの相場です。
新婚旅行、新居のための住宅費や家具家電などの購入費は含まれていないのです。
驚きますよね。
収入の安定しない非正規雇用で働く人の多くが、結婚を諦めるのも納得でしょう。
結婚式にかかる費用の相場ですが、アメリカは都市部と地方では相場に開きがあり、全体の平均は300万前後です。
イギリスも300万円前後、フランスでは100万円以下のシンプルな挙式が一般的と言われています。
どの国にでも、豪華な結婚式をあげる人はいますが、一般庶民でも高額な結婚式費用がかかるのは日本特有なのかも知れません。
その理由は明らかではありませんが、ウェディング関係の業界の存在が大きいのではないかと推測します。
結婚式をするための施設があるのは、かなり珍しいでしょう。
公共の施設を使ったりして、工夫することができれば、もっと費用を抑えられるはずですよね。
幼い子供が出席できない理由
最近では、幼い子供も披露宴に出席しているのを見かけるようになりました。
ですが、やはり幼い子供が何時間も静かに座っているのは難しいので、途中で泣いたり、騒ぐのを心配して子供連れの出席を遠慮するゲストも多いですよね。
欧米では、子供が走り回っていても泣いていても、気にしたりする必要がないので、子供連れのゲストが多いのです。
日本では、結婚式場に託児所が併設されているケースも少ないため、幼い子供が一緒に出席できないことが不思議に感じるのでしょうね。
結婚式をすごく厳かな儀式として考える人が多いため、子供がガヤガヤしてはいけないと思い込んでしまうのです。
そこは欧米との考え方の違いを感じますよね。
まとめ
日本で生まれ育ってきた私でも、なぜ結婚式ではみんな泣くのだろう・・と不思議に思ったことが何度もあります。
自分自身も友達の結婚式で泣きましたしね。
それだけ感情移入しやすい人が多いお国柄ということで、外国の方には温かい気持ちで見て欲しいと思います。