派手に人前でクシャミをすると、こんなことを言われませんか?
「あれ、誰かが噂してるんじゃない?」とか「悪口言われているのかも」というような迷信じみたことを。
最近はあまり聞かなくなりましたが、まだこのようなクシャミに関する迷信を言う人はいます。
もちろん、それを言ってる当人もクシャミと噂や悪口の関連を信じているわけではないと思います。
一種のコミュニケーションのきっかけとして言っているだけだと思いますが。
それにしても、なぜクシャミと噂や悪口を結びつける迷信が生まれたのでしょう。
今回はクシャミの迷信について疑問について、考えてみました。
クシャミの迷信とは
クシャミの迷信は、じつは地域によって少しずつ違います。
関東では、1回は誰かが良い噂をしている。
2回連続は悪い噂をされている。
3回になると、恋の噂をされている。
4回以上は風邪を引いた。
これが関西になると、少し違います。
1回と2回目までは関東も関西も同じです。
3回になると関西では「誰かに笑われている」となるのです。
4回以上は風邪というのは同じです。
他にも九州のある地域では、1回は他の同じく良い噂。
2回になると誰かに嫌われた。
3回のクシャミは誰かに惚れられた。
4回以上になると風邪っぴきというのです。
共通しているのは、1回のクシャミは誰かに良い噂をされているというのと、4回以上続くと風邪という点です。
クシャミの迷信はいつから
クシャミの回数で噂されたとか、嫌われたとか、色んな迷信があるのはなぜなのでしょう。
その迷信はいつからあるのか調べてみると、奈良時代の末期に書かれた万葉集の中に、すでにクシャミと噂の関する内容があるのです。
そもそもこの迷信がいつから言われているのかはわかりませんが、平安時代までは健康に関する迷信は数多くあったようです。
まともな医療もない時代には、病気は祟りが原因と信じていた人も多かったので、クシャミも悪い予兆として怖がる人もいたのです。
勢いよくクシャミをすると、体の中から霊魂が飛び出してしまい、抜け殻になってしまうというような迷信まであったそうなのです。
クシャミは不吉なことと信じられており、突然ハクション!と出るのは、きっと誰かが自分のことを陥れようとして悪口を言っているからだという被害妄想的な要素が重なり合って、クシャミと噂や悪口の迷信が広まっていったと考えられているのです。
クシャミの原因
クシャミは、鼻の中に異物が入ったりすると、外に出そうとする生理的な反応です。
風邪やアレルギーなど、鼻粘膜が炎症を起こすことも原因になります。
病的な原因がなくても、クシャミは出ることがありますが、迷信に言われるような不吉なこととは全く関係ないのは言うまでもありません。
まとめ
クシャミの回数で噂や悪口などと結びつける迷信を使うのは、高めの年齢層だけになりつつあります。
誰も信じているわけじゃなくても、それが言い伝えられて何百年も残っているのは面白いですけどね。
ただ、初対面の人の前で緊張している時に突然「ハクション」と出てしまった時に相手が「誰かが噂しているのかもね」なんて言ってくれると場が和むので助かります。
そういう使い方ができるので、ただの迷信でも使い続けられているのではないでしょうか。