中国料理レストランには、丸いテーブルを使っているお店が多いですよね。
いわゆる円卓というものです。
中国料理の円卓は、料理を回せるようなターンテーブルになっているのが特徴的です。
1人分ずつではなく、大皿に盛られているので、取り分けやすくするために工夫されています。
ところで、中国料理に限らずですが、円卓は上座や下座がわかりにくいと思いませんか?
親しい友人同士や家族で食事する時なら気にしないでしょうが、仕事関係の人たちと食事する時は、上座がどこなのかくらいは知っておかないとヤバいですよね。
中国料理レストランの円卓のマナーについて、掘り下げてみました。
円卓の上座と下座
中国料理店の円卓にも、上座と下座はありました。
上座と下座のルールは、出入り口を起点としています。
上座は出入口からもっとも遠い席です。
次は出入口から見て上座の右側、次は左側、また右側、左側となり、下座は出入口に一番近い席になります。
円卓なので、下座は上座と向かい合うカタチになるわけです。
個室だった場合はとてもわかりやすいと思いますが、複数の円卓が並ぶ広いスペースでは、出入口を起点にするのが難しいかも知れません。
たとえば、出入口から一番遠い席でも、トイレから一番近くなると困りますよね。
そういう場合は、お店のスタッフに案内してもらい、目上の方から先に座ってもらえるように促せば迷いません。
わからない場合は、聞いた方がイイですね。
円卓でのルール
中国料理店の円卓には、洋食や和食とは違うルールやマナーがあります。
最低限チェックしておきたいことをあげてみました。
ターンテーブルの回し方
ターンテーブルは、時計回り(右回り)で回すのが基本です。
上座から立場順に回すのではないのです。
下座の人が自分より目上の人より先に料理を取るなんてマナー違反では?
誤解してしまいそうですが、ターンテーブルは右回りが基本なので迷わないようにしないといけませんね。
取り分けのルール
取り分る時には、当然ですが直箸はNGです。
取り分けようのトングなどを使います。
全員に行き渡るように、取り過ぎには気を付けましょう。
また、大皿料理の会食では、取り分けたがる人がいますよね。
自分で取り分けるのがマナーなので、他の人の分まで取り分けるのはやめましょう。
料理の取り方
料理を取る時に、席から立ちあがるのは行儀が悪いので、必ず座ったまま取ります。
また、使ったトングなどが落ちないように、丁寧に扱いましょう。
飲み物を間違って置いてしまう人もいるので、気を付けないといけませんね。
お皿の扱い方
中国料理では、取り分けようの小皿は、料理ごとにかえるのがマナーです。
また、和食とは違い、お皿を手に持って食べるのはNGなので、気を付けましょう。
洋食では守れるのに、中国料理や韓国料理になると和食と同じような食べ方をしてしまいがちです。
お皿を手に持って食べる習慣が身に付いているので、きちんとした会食などでは注意しなければいけませんね。
中国料理の円卓の起源
中国料理店にあるターンテーブル付の円卓は、じつは日本が発祥というのはわりと有名な話です。
1932年に目黒にある有名な結婚式場が発案して生まれたものなんです。
大皿料理を上手く取り分けるのに慣れていない日本人のために、考えられたものだったんですね。
それが日本中の中国料理店に広まります。
さらに本場の中国でも、ターンテーブル付の円卓が普及しているのです。
中国でも使っているので、すっかり本場から伝わったものだと思ってしまいそうですが、日本人のアイデアだったのですね。
中国料理と中華料理の違い
中国料理を提供しているお店なのに、中華料理店と書かれている看板をよく目にしますよね。
中国料理と中華料理には、決定的な違いがあります。
中国料理は、中国で食べれている料理のことです。
中国料理と言えば、四川や広東が有名ですよね。
四川、広東、山東、江蘇は中国四大料理と呼ばれています。
これに浙江、安徽、湖南、福建を合わせて中国八大料理です。
日本人には耳慣れない料理もありますから、とても種類が多いのでしょうね。
中国料理店でも特定の地域の料理に絞っているお店が多いわけです。
さて、一方の中華料理です。
中華料理とは、中国料理を日本風にアレンジした料理のことです。
日本人に好まれやすい味付けにしたものや、日本で考案された料理です。
天津飯、焼き餃子、鶏の唐揚げなど、中国料理ではなく中華料理なのですよ。
中国料理は伝統を重んじ、本格的な料理を提供するので、高級店が多くなります。
一方の中華料理は、庶民が食べやすい味と価格が魅力です。
まとめ
中国料理レストランで食事をする時には、上座と下座のルールと、ターンテーブルのマナーだけでもおさえておけば恥をかかないと思います。
教わる機会がなければ、知らないのは当然ですから、わからないことは正直に「知らないので教えてください」と周りに聞いてみましょう。