子供に持たせるお弁当を作るために、早起きして頑張ってる立場としては、お弁当の中身を学校に指定されるというのは、理解しがたい摩訶不思議な校則ではないでしょうか。
給食じゃないのだから、お弁当はそれぞれの家庭が準備するわけで、中身を決めるなんて考えられないことです。
そんな校則は
聞いたことないぞ!
うん、初耳
あ、お弁当の中身じゃなく
レンジで温めないと
食べられないものはダメって
聞いたことはある
ただ温めるだけじゃなく、レンジを使わないと食べられない状態でお弁当として持たせるのは、たしかに学校ではNGなのはわかりますよね。
最後の調理をしなければ食べられないものは、学校では難しいでしょう。
しかし、今回ご紹介するのはそういうルールではないのです。
詳しく見ていきましょう。
お弁当の中身を指定するとは
お弁当に何を入れるのか、それを学校側が指定するなんて、考えられない校則ですよね。
さすがに、おかずに何を入れるとか、そんな細かい指定をする学校はないと思います。
問題になっているのは、子供のお弁当に手間ひまをかけすぎることを禁じている学校です。
デコ弁・キャラ弁は禁止
いつ頃からでしょう。
キャラ弁、デコ弁と呼ばれるひどく手間暇をかけている弁当が見られるようになったのはいつからでしょう。
子供が喜ぶように、赤ウインナーに切れ目を入れてタコのようにしたり、リンゴの皮に切れ目を入れてウサギのようにしたり・・
それは昭和の時代からすでにあったと思います。
しかしそれはさほど手間暇をかけることではなかったのですが、平成の時代になるとアニメなどのキャラクターなどをお弁当に再現させるキャラ弁がブームになりました。
これは一般の人たちがブログなどで自分の生活を発信するようになったことが大きく影響していると考えられます。
さらに旧TwitterやInstagramなど、画像を掲載するSNSのユーザーが増えると、手の込んだキャラ弁、デコ弁を作品として画像に残してアップする人が増えたことでさらに広がりました。
キャラ弁名人として有名になると、レシピ本を出版するようなインフルエンサーも誕生したほどです。
こうなりますと、世の中では「子供のためにキャラ弁を作らないと!」というようなプレッシャーを感じる親も多かったのではないでしょうか。
ただでさえ、家事、育児、仕事に追われている親たちは、お弁当作りに時間を割くのはとても大変です。
普通のお弁当を持たせると、子供から「○○ちゃんのお弁当はすごくかわいい」などと羨ましがります。
子供のために頑張りたくても無理だと思った複数の親が、幼稚園や学校に相談するケースがあれば、学校側としては対応を考えざる負えないのではないでしょうか。
キャラ弁禁止の幼稚園や小学校は、増加傾向にあるそうですが、その禁止の理由として納得できる説明を子供たちしている学校は少ないようです。
キャラ弁を楽しみにしていた子供を悲しませることになるので、親としては学校や幼稚園側にも説明責任はあると思うのですが、子供に説明する役回りは親に任せるケースがほとんどのようですね。
豪華なお弁当禁止
子供のお弁当に高級な食材を使ったメニューを入れるのを禁止する校則もあります。
学校給食のある場合は、皆が同じものを食べますが、お弁当はそれぞれの家庭が用意するものなので、皆が違う内容になるのは当たり前のことです。
しかし、こんな事例があります。
公立小学校の遠足のとき、ひとり親家庭の子供がおにぎりだけのお弁当を持ってきたのを見て、それを親に伝えたのです。
「○○ちゃんのお弁当はおにぎりだけなんだよ。どうしてだろう」と。
子供は純粋に疑問に感じたのだと思います。
自分が食べているお弁当との違いを感じて、なぜなのかと。
そういうケースは昔からあったと思います。
あったあった
家が母子家庭で
お母さんが朝から仕事で
白米におかかだけ乗せた
お弁当を持ってくる子もいた
うん、いたよね
そうね、いたね!
でも悲壮感は
なかったよ。
みんなのおかずを
少しずつ集めて
一番豪華なお弁当に
なっていたわ
子供がそういう疑問を感じて親に報告したとしても、親がそれぞれ家庭に事情があることを子供に説明してきたはずです。
しかし、今の時代は少し神経質に考える大人が増えているのではないでしょうか。
たしかに格差が広がっていて、子供の貧困率も増加しています。
潜在的な貧困が深刻化していて、学校給食しかまともに食べられない子供は夏休みや冬休みに痩せてしまうという酷い状況が広がりつつあるとも言われています。
給食ではなくお弁当の日は、経済状況が苦しい家庭の子供には嬉しくない日になってしまうのでしょう。
そういうことを真剣に考えると、たしかにお弁当に豪華な食材を使うようなことは禁止するように学校側に働きかけたくなる気持ちも少しは理解できます。
しかし、どこからどこまでが高級食材なのか、豪華メニューなのかの線引きは非常に難しいものです。
概ねの材料費を決めたとしても、調達方法は一律ではないので無理でしょう。
豪華なお弁当、供給食材を使ったお弁当は禁止と言われても「はい、わかりました」と言える人は少ないのですがそういう意識を持たせることが目的だったのだと思います。
まとめ
子供にとって、幼稚園や小学校は社会生活です。
その中には、さまざまな環境で生きる人たちが集まっています。
皆が同じになるのは無理なのです。
しかし、「食べる」ということが絡むと、子供が格差を感じるような状況はできるだけ作らないようにしたいと考える親もいるのでしょうね。
わが子に不憫な思いをさせたくないのは当然でしょうが、不憫なお友達がいることを子供に感じさせたくないのだと思います。
だからといって、子供のために美味しいお弁当を一生懸命に作ってきた人たちががっかりするようなルールを簡単に作るのも、どうなんだろう・・と。
みなさんはどう感じたでしょう。