会社勤めをしていると、異動によって転勤しなければいけないこともあると思います。
就職時から転勤があると承知の上で入社したのなら、断るのは無理だとわかっていたと思います。
でも、将来のことはわかりません。
就職した時は、転勤を拒否するつもりはなかったけれど、その後に状況が変われば転勤したくなくなる場合もあるでしょう。
恋人ができて、その人と離れたくないとか
結婚して家を買ったとか
家族を連れて行けないとか
たしかに、入社して数年経てば、就職活動していたときに思い描いていた人生とは違っていることもりますよね。
そういう場合、転勤を断るとどうなるのか・・という疑問が頭をよぎるのではないでしょうか。
一般論として、転勤は絶対に受け入れなければいけないのか、調べてみました。
転勤命令は断れる
転勤命令を断る権利はあるので、断れないわけではありません。
ただ、業務命令を断るからには、何らかのペナルティがあるのは仕方ないのです。
そのペナルティは、クビを言い渡されるような極端なものではないとしても、冷遇されることは覚悟しないといけません。
なぜなら、その会社で働く者のルールとして就業規則があります。
その中に「転勤もあり得る」などと書いてあれば、承知していることだからです。
就業規則に書かれていて、会社としては必要な転勤命令なので、それを拒否されてしまえば、規則の意味がなくなります。
どうしても命令に従えないのなら、辞めさせることも可能なのです。
ですが、会社も鬼じゃないので、事情によってはそこまで厳しい処分はしません。
その会社によって対処方法は違いますが、転勤を断っていきなりクビはなかなかありません。
どうしても転勤できない事情が理解されれば、冷遇されることなく今までの仕事を続けることもできるでしょう。
転勤命令の効力がないケース
転勤の業務命令を断ったとしても、その命令に効力がなければ、ペナルティを心配することはありません。
転勤がないことを確認した上で入社しているのなら、転勤命令そのものが無効だからです。
ただ、年月とともに事情が変わるのは社員だけじゃなく会社側も同じです。
規模が大きくなり、支社や支所などが増えれば、転勤も必要になってくるでしょう。
転勤の可能性がないと思って入社した社員に転勤を命ずるためには、就業規則を変える必要があります。
それをしないまま、会社側の事情を社員に一方的に押し付けるのは無効なので、断っても問題はありません。
とはいえ、やはりその職場で働き難くなるのは覚悟しないといけないでしょうね。
きっとハッキリ断れる人の代わりに、誰かが転勤させられているでしょうから。
転勤を断る理由
転勤命令が出た時に、どうしても従えない理由としてあげられることです。
会社側が理解してくれるかどうかはわからないですが、交渉できる可能性はあります。
経済的な理由
経済的な理由とは、転勤すると生活できないような経済状況になるということです。
転勤を命令する会社側としては、単身赴任になった場合は二重の生活費がかかることを考慮して、手当を支給するはずです。
ですが、その手当だけでは二重生活がカバーできなければ、とても苦しくなるでしょう。
家を購入したばかりでローンの負担が重いとか、子供の教育費が高いなど、経済的な事情はそれぞれあるので、理由の1つになるはずです。
転勤を断れなかったとしても、手当の増額などの交渉材料になる可能性があります。
家庭の問題
家庭の問題は、事細かに説明できないこともあります。
たとえば家族に介護が必要なケースです。
家族がみんなで介護を担っているのだとすれば、転勤によって単身赴任になれば他の家族に大きな負担がのしかかります。
介護サービスを受けるだけの手当の支給などがなければ、転勤がきっかけで家庭が破綻してしまうことも考えられます。
介護をきっかけに退職する人もいるので、そういう結果になってしまうかも知れませんが、理解されるケースもあるので、交渉の余地はあると思います。
健康上の理由
健康上の理由は、正当な理由です。
通院治療しながら仕事をしている人は山ほどいます。
仕事する場所が変わるだけじゃなく、転勤は住まいも変えなければいけません。
家族のもとを離れて生活するのは、身体的に負担が大きくなり、悪化の引き金になる子とも考えられます。
医師の診断があれば、正当な理由として認められるはずです。
ただし、この場合も目に見えない空気のペナルティはあると思った方が良いですね。
恋愛への障害はチャンスに変える
家族のことを理由にして、転勤を断る人はいます。
理解のある会社なら、社員の事情を考慮してくれる可能性もあるのですが、理由が恋愛となると、理解してもらえることはまずないでしょう。
世の中に遠距離恋愛しているカップルが、どれほどいるのかわかりません。
理由は色々でしょうね。
進学や就職が理由だったり、SNSなどで出会って遠距離恋愛になったり・・。
社会人の遠距離恋愛は、転勤が理由のケースも多いでしょうね。
職場恋愛していたら、転勤になってしまい、遠距離恋愛になるなど、切ないことです。
ですが、それぞれがキャリアを積み重ねているのなら、恋人が転勤になったからといって、仕事を辞めてついていくのは難しくなるでしょう。
ですが、転勤をきっかけに、恋愛レベルを1段アップさせることもできます。
簡単に言ってしまえば、結婚の約束をするのです。
転勤の期間を乗り越えたの目標を決めて遠距離恋愛するのは、終わりの見えない遠距離恋愛とはくらべものにならないでしょう。
今までは、結婚について意識していなかった二人でも、転勤をきっかけに真剣に考えるようになるかも知れません。
離れている間に終わってしまうこともあるでしょうから、どうしても離れたくないのなら、思い切って転勤のない会社へ転職することも1つの選択肢ではないでしょうか。
単身赴任の海外事情
日本の場合は、転勤を命じるだけで単身赴任を命じているわけではありません。
家族の選択として、単身赴任を選ぶしかなかっただけです。
これは海外でも同じなのでしょうか。
国によって事情は違うでしょうが、アメリカではその職場に必要な人材を採用しているので、転勤そのものが少ないようです。
転勤するときに家族と離れて単身赴任するのは、まず考えられません。
子供のために引越しさせたくないと考えるのは、日本人特有の価値観かも知れません。
転勤族と呼ばれる職業の親がいる子は、転校を繰り返していましたが、最近はそういう子は少なくなってます。
転校を繰り返すのは、子供がかわいそうという価値観があるからでしょう。
海外では、あまりそういう価値観がないので、単身赴任を選択する人はとても少ないのではないでしょうか。
まとめ
転勤という制度は、企業も規模が大きければ必要なのでしょう。
住む場所が変わり、仕事する環境も変わるので、精神的にも大変なことが多いため、歓迎する人は滅多にいないと思います。
それでも転勤という制度がなくならないのは、理解できない点もあります。
これからわテレワークという新しい働き方が普及するはずなので、転勤は少なくなる可能性もあります。
どうしても転勤を避けたい気持ちがあるのなら、あらかじめ「転勤ナシ」の企業をピックアップして準備と覚悟しておくことも必要ではないでしょうか。