飲食店では、ドリンクや料理を提供することで対価を受け取れるのですから、注文しない人は客ではありません。
しかし、例えば2人で来店して1人前の料理を注文し、それを2人でシェアして食べる場合はどうでしょう。

そういうお話を聞いたことがある

それって「一杯のかけそば」じゃない?

そうそう
大晦日のお蕎麦屋さんのお話

あったねぇ、そんな話
たぶん「一杯のかけそば」を思い出した人は昭和世代ではないでしょうか(;’∀’)
お金がなくて一杯しか注文できなかった母子の話です。
それはそれとして・・
「一杯のかけそば」のような理由ではなく、2人で1人前をシェアして食べるのは飲食店のマナーとしてアリなのかナシなのか。
考えてみましょう。
飲食店のマナーとは
なぜこの件を考えてみようと思ったのか。
その理由は、私自身が長年飲食店勤務をしてきた経験上、2人で1人前の料理だけの注文をするお客様に遭遇したことがなかったからです。
ほんとにそんな人いるのか?とちょっと信じられないのですが、それは私が働いてきた飲食店が料理だけではなくドリンク類の提供もあったからだと思います。
2人で来店して、1人は料理を1人は飲み物だけというのは、珍しいことでもなかったからです。
ですが、例えばラーメン専門店では、ラーメン以外のメニューがなく、1人1人前を注文しなければいけない雰囲気なのに2人で1人前をシェアするのはお客としてのマナーはどうなのか?ということなんですよね。
じつはこのような場面を見たことがあります。
いわゆる「デカ盛り」タイプのラーメン屋さんで、2人で1食分しか注文しないお客に対して店側からダメ出しされていて、サイドメニューを注文してその場をおさめてました。
このときは、サイドメニューがあったので何とかなったわけですが、サイドメニューもドリンク類もない専門店で同じようなことがあれば、ちょっとトラブルになりそうですよね。
基本的には飲食店は料理を提供して対価を得る商売なので、2人で来店して2人分にスペースを占領するからには2人分の注文をしなければいけないものです。
小さなお子さんの場合を除き、大人の常識としてそれは皆理解しているはずです。
しかし、食べる量は個人差があるため、せっかく2人分注文しても残してしまうのであればシェアして食べきる方が良いのではないかと考える人も存在するのです。
飲食店のルールとは
飲食店のルールは、とくに共通に定められたものがあるわけじゃありません。
基本として、経営者がルールと考えます。
例えば、前述のようなケースでもお店側が2人で1人前をシェアすることを許しているのであれば、そのお店ではそれがルールです。
しかしそれがほかのお店でも通用するわけではありません。
自分の常識、自分の価値観とは違ったとしても、お店側のルールに対して納得できないのであれば、利用しなければ済むだけです。
入店する前にそれがわからないと、気分の悪い対応をされたように騒ぐ人もいるかもしれませんが、お店側としては理由があってそのルールを定めているので、納得できないのならお客側がそれを捻じ曲げることはできないのが基本だと考えましょう。
デカ盛りメニューの店では
2人以上で1人前のメニューをシェアすることに違和感を持たない人が増えているから、トラブルも目に付くようになったという説があります。
これはいわゆる「デカ盛り」をウリにする飲食店がテレビなどで紹介されることも影響があるのではないでしょうか。
「デカ盛り」のメニューは、1人で食べきれる量ではないため、制限時間内に1人で食べきると料金が無料になったりするようなチャレンジメニューで話題を作るの目的に飲食店もあります。
しかしそういう話題性とは無関係にデカ盛りメニューを普通に提供する店もあります。
そういうお店では2人以上でシェアしてもOKであり、食べきれなかったら持ち帰りもOKなど、そもそも1人で食べきれないことも想定しながら提供していることもあるため、何となくシェアに対する抵抗感が薄くなっているのかも知れません。
とはいえ、デカ盛りではないのに小食だからシェアをOKしてほしいというのは、お店側からNOと言われる可能性があるので、デカ盛りと混同するのはやめた方がいいですね。
まとめ
飲食店のルールによるトラブルは、SNSや口コミサイトによって目につくようになりました。
自分の価値観と店側のルールが違ったとしても、基本はお店のルールには理由があるということを理解する努力は必要ではないでしょうか。
事前にリサーチして、シェアOKかどうかチェックできれば安心ですね。