電車に乗るとき、手荷物の扱いには暗黙のルールのようなものがあります。
車内アナウンスで伝えているところもありますが、自然にルールのようなものが出来上がっていくことが多いのかも知れません。
この数年、電車の中ではリュックサックを前に抱えるのが主流になっていたように思います。
混雑した車内では、背中の荷物が他の人にあたったり、押し付けてしまうこともあるため、前に抱えてるのが暗黙のルールのようになっていました。
しかしこれ、正しい方法と言えるのでしょうか。
アナウンスで
前に抱えるようにって
言ってた気がする・・
なんか、前に抱えてる
イラストを見た記憶がある
みんなそうしてるから
深く考えたことないけど
私もそうしてるよ
誰が決めたわけじゃなくても、自然発生的に生まれたルールだったのか、それとも鉄道会社から何かそういうアナウンスがあったのでしょうか。
電車内でのリュックの扱いについて調べてみました。
リュックは抱えるルールはいつから
リュックサックを背負ったまま電車に乗るのは周囲への迷惑になるというのは、関西の鉄道会社が手荷物の扱いについては、大きな荷物は網棚に、座席では荷物は膝の上に、リュックサックは前に抱えるのように協力を呼び掛けてきたことから全国に広まったと考えられます。
また、関西でそのような呼びかけがされる前から、首都圏でも電車内の手荷物の扱いについて描かれたポスターでは、リュックを前に抱えて乗車している人物が描かれていました。
つまり、リュックを前に抱えて乗車するのは、自然発生的に生まれたルールではなく、鉄道会社からの呼びかけから広まったことだったのです。
時期ははっきり特定できませんが、2015~2018年ごろは社内アナウンスや車内マナーを呼びけけるポスターでは「リュックは前に抱える」だったのです。
リュックを前に抱える効果
実際に混雑した電車に乗ると、リュックを前に抱えている人はとても多いです。
とくに座席の前に立っている人は前に抱える率が相当高いように思います。
座席の前に立つ人がリュックを前に抱えることで、背中側にスペースが生まれるため、混雑時にはたしかに効果があるのではないかと感じています。
空いている時間帯にはその必要はないと思いますが、防犯の意味でも前に抱えた方が安心なのかも知れません。
背中に背負ったままで立っている人がいると押されてしまうとか、降車の時に邪魔になるなど、背負ったままでは混雑時は迷惑になると感じていた人が多かったため、前に抱えるのがマナーとして正しいという認識が広まったのではないでしょうか。
前に抱えるルールに変化
混雑した電車内では、リュックは前に抱えるのがマナーという認識がやっと広まってきたのですが、これが最近変化してきたのです。
どうして!!
そんなコロコロ変わると
戸惑うよ~
変えるなら
ちゃんと世間に広く
周知させないと
そうだよね
トラブルのもとになるよ
ほんとに!おっしゃる通りですよね。
今までリュックは前に抱えるのがマナーと思っていたのに、急に変わればそれを知る人と知らない人の間でトラブルが起こることも考えらえます。
ところで、どう変わったのか・・ですが。
公益財団法人メトロ文化財団のサイトにある2023年8月のポスターにこのような様子が描かれていました。
リュックを肩からおろして手に持っている人と、網棚に置く人がいます。
これは荷物の位置で社内にゆとりを作る意識を持とうということでしょう。
前に抱えるのは、立つ場所によっては背中に背負うのと同じく邪魔になることもあります。
肩からおろして手で持つことが、推奨されているマナーとなったようです。
しかしこれはあまりまだ知られていないので、電車内では相変わらず前に抱える人は多い印象です。
ところで、なぜ急に「前に抱える」から「手で持つ」に変わったのか、その理由が知りたいところですが、前述のように立つ位置によっては邪魔になるということと、前に抱えることが難しい人もいるので、そのルールが正しいという認識を薄めたかったのではないかと考えられています(確かな理由はわかりません)
要するに、背中であろうが前に抱えようが、リュックは混雑時の車内では邪魔で迷惑になりやすいので、肩からおろすことを基本のマナーとして広めたいのではないでしょうか。
まとめ
電車やバスなど公共交通機関では、暗黙のルールが自然発生しやすいものですが、鉄道会社やバス会社が正しいマナーをわかりやすく発信してくれると、「知らない」ことが原因で起こるトラブルを回避できるのではないでしょうか。
あくまでも乗客へのお願いのレベルだとしても、社内にわかりやすく提示してくれるとありがたいと思うのは私だけでしょうか。