道に落ちている銀杏や栗は拾って持ち帰っても問題ないのだろうか?

不思議なルール

秋が深まり、街路樹が紅葉するようになると、銀杏の木の下に銀杏が落ちていることがあります。

踏まれて潰れてしまうと、独特のニオイがあるので踏まれる前に何とかして欲しいと思うのですが、道に落ちている銀杏を拾うのはちょっと気が引けますよね。

そうかな?
落ちてるんだから

別に構わないんじゃない?

人が歩いていると

さすがに恥ずかしい

あれ、放置すると

汚くなるよね

イチョウは街路樹として都会の街並みにも見かけるので、そういうところでは拾いにくいかも知れませんね。

しかし住宅街とか、山道とかなら拾っても恥ずかしくないでしょう。

なぜこんな話をするのかというと、あるドラマの中にこんなシーンがあったのです。

BARの常連さんが道にたくさん落ちていた銀杏を拾い集めて袋に入れてお店に入ってくる。

するとそのお店のママがその常連客に銀杏の殻を剝かせている。

次の場面では、その銀杏を調理して他のお客に提供していました。

そこでふと思ったのです。

道に銀杏や栗が落ちていたら、それは勝手に拾って持ち帰っても構わないのだろうか?という疑問です。

それが大量であれば、商売に使うこともできます。

何も問題ないのだろうかと疑問を持ったので調べてみました。

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落ちている実は誰のもの?

道路に落ちている銀杏や栗などの実は、落ちているものだから誰のものでもなくて、自由に拾っても構わないのか確認してみました。

一般論ではなく、法的に確認すると、道に落ちている実の所有権は、その実がついていた樹木の所有者でした。

樹木から落ちたとしても、その実は樹木の持ち主に帰属するというわけです。

民法89条1項 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する

収取する権利を有するとは、樹木の持ち主が実を収取する前に落ちたと考えるのが妥当なので、道に落ちていたとしても、それを無断で拾って持ち去ると法的に問題になる恐れがあるのです。

びっくり!

そんな法律があるんだねぇ

道に落ちた時点で

所有者がいなくなると思ってた

一般的にはそう思う人が多いですよね。

しかし、そういうルールがあるのは事実なのです。

例えば、一般家庭の庭の木の実がその家の敷地外に落ちていたとしても、実はその家の住民のもの。

街路樹や公園などの樹木は、管理している自治体や団体になります。

落ちたとしても所有権が消滅するわけではないので、無断で持ち去るのは罪に問われてしまう恐れもあるとおぼえておきましょう。

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所有権を放棄されているかどうか

道や公園に落ちている銀杏などの実を無断で拾うと、もしかしたら罪に問われるかも・・と知った以上は、道に落ちているものは拾ってはいけないという認識が正しいのでしょう。

しかし、実際には道や公園に落ちている実を拾ったとしても罪に問われることはまずないのです。

それは所有者がその実の収取をせずに放置しているのは、所有権を放棄していると考えられるからです。

所有者としては、勝手に持ち帰ってくれるのなら、掃除しなくても済むから助かる~なんて思っているとすれば、拾っても問題はないという解釈なのですよ。

大量に銀杏が落ちている道路を歩くのは、踏んでしまい、靴底に潰れた実がついてしまって困る人もいますから、所有者は枯葉だけじゃなく実も掃除して欲しいですが、それを怠っているのであれば実の所有権もすでに手放していると考えて良いのでしょう。

まとめ

今回は銀杏や栗のように樹木から落ちる実について調べてみました。

深く考えたこともなく、当たり前に落ちているものなら拾って良いと思っている人が多いのは、それが問題になる事例がほとんどないからなのですね。

子供のころに松ぼっくりやどんぐりなどの実を拾って帰ることもあったのですが、親に叱られることもありませんでした。

他人の敷地内に入り込んで拾うのはマズいでしょうが、道や公園などに落ちているのなら問題ないと思います。

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