猫舌の人は、熱いものを食べるのが苦手です。
でも、猫舌の人の舌がとくに熱に敏感なのでしょうか。
粘膜が薄いとか、熱に敏感な神経が舌にあるのか・・。
何か理由があって猫舌になると思うのです。
さらに猫舌について疑問に思うことは他にもあります。
それは、なぜ猫舌なのか!という点です。
猫が熱いものを食べないのは、猫を飼った経験のある人ならわかります。
でも、それって猫だけなのでしょうか。
猫舌のことを考えると、何だかモヤモヤと疑問が湧いてきました。
猫舌の原因や、猫舌と呼ばれるようになった由来について調べてみましょう。
猫舌の原因
熱い食べ物や飲み物が苦手な猫舌の人は、生まれつきの原因があると考えられていたようです。
まずは舌の厚さは個人差はあるので、厚い舌の人よりも薄い舌の人は熱さに弱いという説がありました。
ですが、それは根拠がない説といわれるようになりました。
また、舌が熱を察知する神経が過敏な人が猫舌になるという説もあります。
この説もまた、確かな調査や研究が行われたわけでもないので、信ぴょう性に欠けます。
有力な説は、舌の使い方です。
猫舌の人だけじゃなく、舌の構造はみんな同じです。
舌の先端部分は、神経が集中しているため、熱さを感じやすくなっています。
そして奥にいくにしたがって、神経があまりない部位になるため、熱さを感じにくくなるのです。
つまり、猫舌の人もそうじゃない人も、舌の構造は同じということ。
猫舌になる原因は、食べたり飲んだりする時の舌の使い方に問題があるわけです。
ですが、舌の使い方なんて誰かに教えてもらうわけじゃないですよね。
熱い食べ物や液体が舌の先にできるだけ触れないように、自然に舌先を下に収納するような状態にしていると思います。
熱々のものを食べる時に、舌先に触れさせるようなことは、無意識に避けているはずなのです。
しかし、猫舌の人はそれが上手くできないので、熱さが少しおさまるまで口を付けられないのです。
無理して熱いものを口にしてしまうと、舌先が火傷状態になり、しばらくヒリヒリと痛むでしょうから、余計に熱さに臆病になってしまうでしょうね。
猫舌は長子に多い説
猫舌の人は、長子が多いという説があります。
第一子として生まれた子は、育児経験のない親が神経質になりがちなので、それが猫舌の原因を作るというのです。
それはどうなのか・・と思う反面、少し思い当たる節もあります。
私は2人姉妹の次女です。
長女である姉とは1歳ちょっとしか離れていません。
年子だったので親は大変だったと思います。
しかも姉は食が細く、体が弱かったので、母はどうしても姉にかかりきりになります。
食事のたびに手をかけて食べさせないと、なかなか食べてくれなかったそうです。
次女の私はというと、ミルクをごくごくと飲み干し、空になった哺乳瓶をいつまでも加えているような赤ん坊でした。
離乳食なんてものをわざわざ作る手間もなく、大人の食べ物を少し細かくすれば、自分でさっさと食べるような食いしん坊な子だったのです。
熱いものを母親がふーふーと冷ましてから与えるような、そんな育ち方をしなかった私はまったく猫舌ではありません。
熱いものを食べたり飲んだりしても、火傷することもほとんど経験ありません。
ところが姉は超がつくほどの猫舌です。
ラーメンをすすって食べるのもできないし、ホットコーヒーは湯気が消えないと飲みません。
食べることが苦手な幼児だったため、適温に冷まして、飲み込みやすい大きさにしてきたことで、舌の使い方を身につける機会を失ってしまったのかもし知れません。
あくまでもうちの姉妹の事例なので、それが猫舌の原因に関係すると断言はできませんが、少し納得するところはありました。
猫舌は遺伝する説
猫舌が生まれつきの体質であり、遺伝だという説が長い間信じられていたそうです。
なぜそう信じられてきたのかという理由は、猫舌になる原因が理解できればわかりますよね。
猫舌の親は、自分が熱いものを食べられないので、結果的に子供も幼い頃から熱いものを食べる機会が少なくなります。
そうなれば、熱いものを食べる時に神経が集中している舌先を触れさせないような食べ方を身につけることができないのです。
生まれつきの遺伝ではなく、習慣によって遺伝する結果になるのでしょうね。
猫舌と呼ぶ理由
熱い食べ物や飲み物が苦手な人のこと猫舌と呼ぶの、いったい何故なのでしょう。
その理由を調べても、ハッキリとした起源は見つかりませんでした。
ただ、猫は昔から人間と一緒に暮らしてきたので、とても身近な動物です。
米作する農民たちは、ネズミから収穫した米を守るために猫を餌付けしたと言われています。
人間のそばで生きているので、人間から食べ物を与えられることがあるわけです。
その時に熱いものを食べられない様子から、猫舌と呼ばれるようになったと推察されています。
たしかに猫の舌は敏感です。
食べ物の味の変化にも敏感な生き物です。
ですが、熱いものを食べられないのは猫だけではなく、人間以外の動物は熱いものを食べるのは苦手なはずです。
人間以外の動物は、火を使って調理をすることはないからです。
猫舌ではなく、犬舌でも良かったわけですが、人間のそばで生きる身近な動物だったため猫が選ばれたのでしょう。
余談ですが、猫は熱いものは苦手ですが、温かいものは好きです。
冬になると水を飲みたがらなくなる猫も多いのですが、ぬるま湯を与えると喜んで飲みます。
また、ウェットフードもレンジで少し温めると香りが立つので喜びます。
猫舌は直せるのか
猫舌の人は、熱いものを冷まさないと食べられないので、食事の時間が長くなるなど、困ることもあると思います。
ただ、幼い頃に自然に身につける舌の使い方なので、大人になってから猫舌を直すのは簡単なことではありません。
でも、トレーニング次第では猫舌は直せるようです。
せっかく温かい状態で出された料理や飲み物を、冷ましてからじゃないと口にできないのは勿体ないと思うのは猫舌以外の人間の勝手な思い込みです。
ですが、複数の人と食事をする時などに、極端な猫舌は困ることもあると思います。
猫舌を直すためには、熱いものを口にする時に敏感な舌先を触れさせないように気を付けるだけでもかなり効果があります。
液体のものは空気を一緒に吸い込んで、すするように飲むと熱さを感じにくいと思います。
音を立てるのがマナー的にダメな場面もありますが、そういう席では焦って食べる必要もないので、じっくり冷まして食べても問題ありませんよね。
まとめ
熱いものが苦手なことを猫舌と呼ぶのは、猫が人間に近い存在だったからなだけと考えられているようです。
猫以外の動物でも、熱々のものを食べるのは苦手なはずなので、猫が動物の代表になっただけのことでしょう。
猫舌だけじゃなく、猫という生き物は色んな言葉の例えにも使われます。
人間に寄り添って生きてきたので、イメージしやすい存在になっているのです。